双语阅读:【青春小说连载】春の夢(170)
小说《春之梦》发表于上世纪80年代,描写的是一位大学生的生活。父亲欠债而死,大学生哲之就流浪、打工,偿还所欠的债务。一只被钉到木柱子上的蜥蜴还活着,一直陪伴着他。还有他的爱情生活也激励着他生活。经过一年的奋斗,终于走出阴暗的生活。
十一(21)
哲之は少しずつ元気が出て来た。彼の夢の断片を思い出した。彼は、三人の老人を呑み込んだ蜥蜴の海が、いったい何であったのかが、おぼろげに判ってきた。人間の作った法などは、それはどんなに重いものであれ、真に罪人を罰したことにはならないのだ。だが、人間を作った法からは、どうやって逃げおおせることは出来ない。人間を作った法がある。数限りない生き物を、花を、樹木を作った法がある。目に見えない厳然たる法がある。四季を巡らせ、潮を干満させ、人間を幸福にさせ、あるいは不幸にさせ、生滅させるほうがある。そうでなくてどうして、あの何の価値もない一匹の蜥蜴であるキンが、生きつづけている理由があろうか。ひょっとして死んでいたかもしれないきのうの夜、やり残したことがいっぱいあると嘆く老人が蜥蜴の海に沈んでいく夢を見たには、深い意味があったのだろう。きっと、多くの人は、あのようにして死んでいくのだ。それは、法を犯したからだ。人間の作った法規には該当しない、けれども大いなる罪を犯した人間を呑み込む海は、蜥蜴や蛇や、その他ありとあらゆるおぞましさの表徴である無限の暗闇に、彼等を導くのだ。沢村千代乃もそのひとりだったのだろう。哲之の思考は、半分眠っている状態の中で、次から次へと拡がっていった。
哲之は、はっと耳を澄ました。はるか彼方から、せわしげな足音が聞こえたからである。断じて聞き間違えりしない。陽子の足音は、哲之を涙ぐませた。彼はまだ夢から醒めていないのか、あるいは頭がおかしくなったのか判らなくなった。
陽子はノックもせず、ドアをあけた。陽子と目が合った瞬間、哲之はベッドに臥したまま、まるで宣誓(せんせい)するように片手をかかげ、
「俺は一生涯(いっしょうがい)、陽子を殴らへんぞ。俺以外の男のダンスをしても、焼きもち焼けへんぞ」
と言った。
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