双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(80)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅲ(8)
前野君の後ろ姿を見送りながら、やるせなくなっていると、反対側の坂(さか)の下から別府君が箱を持って、こちらに手を振るのが見えた。
もう、その時は家の中に隠れ、後はオカンに任せて、春が過ぎるのを待ったのだ。
桜吹雪の中、詰襟の学生服を着て誰よりも気の重い中学一年生になった。
入学式から何日経っても、会う友人、すれ違う知人に、判で押したように言葉を掛けられる。
「あれ?なんでおると?」
そりゃそうだろう。あれだけ長い期間かけて言いふらし、涙、涙のサヨナラまでしといて、普通に同じ中学に同じ制服を着ているである。なにか言われるのも面倒だが、なにも言われない方が怖い。カッコ悪くて、うさん臭い新一年生。
そんなゴタゴタの中、引越しの荷物もまだそのままな時に、オカンはこのばあちゃんの家の近所に家を借りて、引っ越すと言い出した。
「別にいいよ、ここで……」と完全に引越しに対するヤル気が失(う)せているボクが言うと、オカンは「いつまでもここにおるわけにもいかんのよ」と言った。
ばあちゃんの家はオカンの兄妹の生家だが、数年前、長男であるコクコクのおじさんが立て直した家だった。長男が生家を立て直しものの、そのおじさんもその家に住むでもなく、そこから車で二十分程度の場所に別の家を建てて暮らしていた。なぜ、そのおじさんが建て直した生家でばあちゃんと住まないのかはわからないが、とにかくオカンは、その家に自分の子供を連れて帰って来て、居座る感じになっていることを気かねしているようだった。
ボクは子供心にも、ばあちゃんがひとりで暮らしていることを不思議に思っていたし、ばあちゃんをひとりにするくらいなら、ここに居た方がいいのではないかと思っていたのだが、大人の社会は親子、兄妹であっても、あのあたりがややこしいらしい。
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