双语阅读:《哈利波特与魔法石》第2章悄悄消失的玻璃4
運転をしながら、おじさんはおばさんを相手にブツブツ不平を言った。何しろ不平を言うのが好きなのだ。会社の人間のこと、ハリーのこと、市議会のこと、ハリーのこと、銀行のこと、ハリーのこと、ざっとこんなところがお気に入りのネタだった。今朝はオートバイがやり玉に上がった。
「……ムチャクチャな音を出して走りおって。チンピラどもが」
オートバイに追い抜かれた時におじさんが言った。
「僕、オートバイの夢を見た」ハリーは急に思い出した。「空を飛んでたよ」
バーノンおじさんはとたんに前の車にぶつかりそうになった。運転席からグルッと振り向きざま、彼は口ひげをはやした巨大な赤かぶのような顔でハリーを怒鳴りつけた。
「オートバイは空を飛ばん!」
ダドリーとピアーズがクスクス笑った。
「飛ばないことはわかってる。ただの夢だよ」
ハリーは何にも言わなきゃよかったと思った。ダーズリー夫妻はハリーが質問するのも嫌ったが、もっと嫌ったのは、夢だろうが漫画だろうが、何かがまともではない行動をする話だった。ハリーがそんな話をすると、まるで危険なことを考えているとでも思っているようだった。
その日はお天気もよく、土曜日で、動物園は家族連れで混み合っていた。ダーズリー夫妻は人口でダドリーとピアーズに大きなチョコレート?アイスクリームを買い与えた。ハリーを急いでアイス?スタンドから遠ざけようとしたが、間に合わず、愛想のよい売り子のおばさんが、坊やは何がいいのと聞いたので、しかたなしにハリーにも安いレモン?アイスを買い与えた。
これだってけっこういける、とアイスをなめながら、ハリーはみんなと一緒にゴリラのおりを眺めた。――ゴリラが頭を掻いている姿がダドリーそっくりだ。あれで金髪だったらな……。
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