报刊杂志精品选读 第15期
幸せ大国をめざして:1)豊かさ映さぬGDP 「時代遅れ」の成長志向
私たちはこれまで経済成長こそが豊かさの原点だと考えてきた。だが、バブル崩壊から15年、成長軌道に戻そうとする試みが、貧富の差を拡大させるなど社会のひずみを生む現象が目立ってきた。本当の豊かさとは何なのか。ゆとりをもって安心して暮らせる「幸せ大国」への道はどこにあるのか。日本経済が長期低迷から抜け出そうとしている今こそ、豊かさの意味を考え直す作業が求められている。
●疲弊・不安、社会を覆う
今春の新入学商戦で、「GPSランドセル」が親の関心を集めた。名刺大の端末付きで、人工衛星を利用してパソコンや携帯電話から子どもの居場所が5メートル単位の精度で確認できる。 安いタイプで3万3千円。他の売れ筋商品より数千円高い。それでも東京や大阪など大都市中心に約5千セット売れた。メーカーは生産が追いつかず、「来年の販売数は1ケタ増えそうだ」という。 子ども専門のガードマン派遣、ICタグを使った登下校管理……。新しい防犯ビジネスが次々生まれている。凶悪事件が多発し、コストをかけてでも我が子の「安全」を買いたい、という親が増えているからだ。 「子どもの顔を知らない地域の人には頼れない。出費は増えても親が守るしかない」。ランドセル売り場を訪れた東京都江戸川区の女性会社員はそう話す。 サービス残業で疲れ切ってテレビの前で寝てしまった夫(36)に、妻(36)はそっと毛布を掛けた。関西の食品関連会社に勤める夫は朝7時に家を出て、連日のように終電で帰る。休日出勤も多く、7歳と3歳の子どもと遊ぶ時間は、ろくにない。妻は「平日は完全に母子家庭」と嘆く。 労働基準監督署にサービス残業代の是正指導を受けて、追加残業代を100万円以上払った企業は1184社。その総額は約240億円(03年度)にのぼる。
●ストレス社会
合理化で企業の業績は回復したが、人員削減の結果、従業員への負担は増すばかりだ。不安やストレスで心身の健康を損ねる人も増えている。
兵庫県尼崎市の関西労災病院。心療内科・精神科の医師、柏木雄次郎さんが担当する外来は、1日約50人の予約で2カ月先まで埋まっている。99年から始めた電話相談の件数も3年で3倍に。「雇用を巡る悩みや不安の高まりを実感している」と柏木さんは話す。
10人に8人が自分も犯罪被害に遭うのではないか、と不安を感じている(朝日新聞の04年1月国民意識調査)。生活保護世帯は100万を超えた。通学や職探し、職業訓練をしていない若者(ニート)は約85万人。中高年など3万人以上が毎年自殺している。
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