您现在的位置:首页 > 双语阅读 > 美文精读 > 正文

美文阅读:瞼を透かして 透过眼帘

时间:2011-06-21 11:47:40  来源:新世界日语  作者:dodofly

   定期健診で採血された。注射器に吸い上げられる私の血を見て、嫌な気がした。

  「こんなに黒いんですか、私の血は」と聞いたら、女医さんは「静脈の血は誰でもこんなです」と言った。なんだか信用できない。血は赤いはずなのに、私の血はどす黒く見える。私の血はこんなに汚れている。私は自分が汚く思えて、ひどく落胆した。もっと赤いと思っていたのに、私の中にはこんな褐色の血が流れていた。幻滅であった。

  「もっと綺麗なものじゃないでしょうか」と聞いたら、女医さんは私の顔を見た。「動脈の血は綺麗ですよ。これは静脈の血だから、体内の汚れを集めて戻るので、こんな色なんですよ。皆さん同じですよ」と慰めてくれた。

  どうも安心できない。のべつにあんな色の血が私の中を流れているのか、と疑った。身体全体が腐っているような気がして、憂鬱になった。

  少年の頃、河原にねころんで目をつぶると、太陽の光が、瞼を透かして、真っ赤に見えた。それは、とても明るく透明な赤であった。

  これが血の色だ、と思った。比べるものもないほどに美しい赤色というよりは、赤い光であった。それは生命の美しさの極限のように尊く見えた。

  瞼を透かして見える赤い血の、一点の汚れもない赤い光に、若い生命を見る感動があった。

  ワインカラーなどというものではない。限りなく澄んで、燃えている炎にも優れるあの赤い光は、生命の尊さそのもののようだった。

  採血の何日か跡で、私は庭の芝生にねころんで、秋の日の直射を受けて、瞼を閉じてみた。意外だった。少年の日のあの赤い光があった。昔のままの美しい色だった。

  閉じた瞼を透かして、少年の日の、あの美しい赤い光が燃えていた。嬉しかった。

  生きている限り、血の色は澄んでいる。本当にありがたいことだ。

  しばらく、そのまま目を閉じていた。

上一页 [1] [2] 下一页

相关阅读

无觅相关文章插件,快速提升流量