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双语阅读:【青春小说连载】春の夢(115)

时间:2012-02-01 14:14:11  来源:可可日语  作者:dodofly

    小说《春之梦》发表于上世纪80年代,描写的是一位大学生的生活。父亲欠债而死,大学生哲之就流浪、打工,偿还所欠的债务。一只被钉到木柱子上的蜥蜴还活着,一直陪伴着他。还有他的爱情生活也激励着他生活。经过一年的奋斗,终于走出阴暗的生活。

九(2)

「あの夫婦の息子は結局日本まで迎えに来たけど、ミュンヘンで自分の親と仲良う暮らしてる筈はないよなァ。人間て、どいつもこいつも懐が狭いから、どんな些細なことでも、ほんとには水に流したりせェへんのや。俺を許したりはせえへんやろ?」
 懐が狭いと自分の口から言っておきながらも、陽子がたとえいっときにせよ他の男に心を移した事実を思うと、哲之は理性を喪って心の傷跡に操られ、石浜と抱擁し合っている陽子の裸体を想像するだった。
 「俺は男やから、自分以外の男の、こと女に関する心は判るんや。紳士(しんし)ぶってたけど、あの石浜が、気持の傾きかけてる陽子に指一本触れなんだなんて信じられるか。陽子は口が裂けても喋らんやろけどな」
 再び赤外線ランプのスウィッチを入れ、光をキンに浴びせてやりながら、哲之は、陽子の口から、自分の抱いている疑惑を完全に晴らしくれる言葉を聞きたいと思った。そして瞬間に、どんな言葉も無力であることを知った。疑えば何を言われようと信じられないし、万一陽子が、石浜に抱かれたと告白しても、自分は陽子から離れないのだ。そう思ったからである。
 キンは水は飲んだが、その夜も餌を食べなかった。哲之はパジャマに着換え、電灯を消して蒲団に入った。裏窓のカーテン越しに入って来る薄明かりを見ているうちに、哲之はある計略を思いついた。仕返しをしてやろう。陽子にも、自分と同じ哀しみを味わわせてやろう。他の女に心を移したと見せかけるお芝居をして、陽子を苦しめてやるのだ。自分の美しさを知っているいなか娘の、うっかりすれば本気になりかねない魅力的な胸のふくらみがちらついた。
 翌日、哲之はいつもより早めに従業員食堂へ行った。そのグリル係の中江百合子が、他の従業員よりも一時間前に夕食をとることを知っていたからだった。百合子は、同じグリル係の女子社員たちと一緒に、夕食を食べ終え、食器を洗っていた。プラスチックの碗にめしを盛り、洗い場の横に並べてあるおかずの入った皿を持って、百合子だけに聞こえる声で、
 「きのう、ありがとう」
 と囁いた。百合子は同僚たちに気づかれないような気遣いながら、かすかに頷いた。哲之は指先だけ手招きをし、テーブルに皿と碗を置くと、従業員食堂を出てランドリーの手前まで行った。小走りでやって来た百合子に、
 「きょうは何時に終わるの?」
 と訊いた。
 「早出やったら、八時にあがれる」
 「そしたら、八時半に大阪駅の北口で待ってる」
 「……なんで?」
 判りきった質問には答えず、哲之は、
 「十分待って、けえへんかったら、ふられたと思てあきらめるよ」
 そう言って足早に従業員食堂へ戻った。具よりも多いカタクリ粉のかたまりを箸で選り分け、わずかな肉や人参や玉葱の入った八宝菜(はっぽうさい)をかき込むと、彼はロビーにあがり、フロントの近くの所定の場所に立った。哲之が来年の春に、大卒の正社員として勤め始めることは、もう社員のほとんどが知っていた。いままで何やかやと哲之に意地の悪い態度を取ってきた鶴田は、最近ではまったく逆に、あからさまなお世辞(せじ)を言うようになった。ときおり、パチンコの景品で取ってきた煙草をくれたりするのである。哲之は、客を案内してロビーに帰って来た鶴田に、
 「きょう、八時に早引きさせてください。親戚の伯父さんが病気で、もうあと二、三日らしんです。逢えるうちに逢っときたいんで」
 と言った。哲之には伯母はいた伯父はいなかった

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