双语阅读:【青春小说连载】春の夢(123)
提要:
哲之让门开着,把钥匙还给了从客房部来的女服务员那里,下楼来到了大厅。大厅已恢复到平时的安静,像是新婚的情侣,透过玻璃窗看着人工造的小型的日本庭园里面的小河和水车,他们正在喝着一杯1200元的橘子汁。
九(10)
これとまったく同じ手口で、ホテルをゆすろうとしたならず者は、哲之が勤めるようになってすでに三人もいた。支配人に目配せされて、哲之は十二階の客室係の部屋に行き、マスター?キーを持って男の部屋の前に立った。ノックすると、女の返事があった。
「お連れ様が、荷物の数が足りないと仰いっていますので調べさせていただきたいのですが」
「いま裸よ。部屋を調べるんなら、あとで彼と一緒にやってほしいわ」
哲之は、ホテルが雇っている私服のガードマンの来るのを待った。ガイドマンはすぐにやって来て、ふたりがチェック?インしたあと、グリル以外はどこにも行っていないのを確かめたことを哲之に耳打ちし、にやっと笑った。
「使い古した手口を使いやがって」
ガードマンはそう言ってズボンのポケットからドライバーを出した。哲之はマスター?キーで素早くドアをあけた。女は慌ててバスルームに走り込もうとしたが、ガードマンに腕をつかまれた。
「何すんのさァ!女ひとりの部屋に入ってきて。警察を呼ぶわよ」
「この人、刑事さんですよ」
哲之が言うと、女は、
「警察手帳、見せてよ」
と切り返した。
「失くなった荷物が、この部屋からみつからなかったら、お見せしますよ」
ガードマンはそう言って、バスルームに入り、天井を手の甲で叩いた。何回か叩いたのち、ガードマンは女の髪の毛をわしづかみにし、
「ちょろこい手口を使いやがって。おんなじユスリをやるんでも、もうちょっと頭を使うたらどないやねん」
と言った。バスルームの隅に、排気孔があり、その周囲には何かの故障が生じた場合のために、人ひとりが入れる程度の出入口が設けてある。普段は四つのネジでとめて蓋をしてあるのだった。ガードマンはドライバーでネジを外し蓋を押しのけ、そこから手を伸ばして、隠してあった黒革のアタッシェ?ケースを引きずり出した。哲之はベッド脇の電話でフロントにそれをしらせた。
「これからのために教えといたる。こういうユスリをやるには労を惜しまんこっちゃ。どこかに出かけるふりをして、別の紙袋にでも荷物を遠くへ捨てに行くんや。それをやられると、こっちは客商売だけにどうしようもない。まあ、そやけど、それは他の客のてまえとホテルのイメージにさしさわりがあるだけで、はした金を握らせて一応は丁重にお引取り願うんや。いままでで、一番長いこと逃げおおせたんは六日やったな。警察は、二日もあったら、お前みたいな連中をつかまえるで、」
女は、くつくつ笑いながら、ベッドに寝そべり、煙草に火をつけた。本物の警官が到着するまで、ガードマンは女を見張っていなければならなかった。哲之はドアをあけたまま部屋から出て客室係の女子社員にマスター?キーを返し、フロントに降りた。ロビーは元の平穏を取り戻し、新婚らしいカップルが、小さな日本庭園に造られた人工の小川と水車をガラス窓越しに眺めながら、一杯千二百円もするオレンジジュースを飲んでいた。
「きょうみたいな間抜けばっかりやないで。これからどんな巧妙な手口を使うやつが表れねとも限らん。ちょっと怪し気な客には、充分気をつけてくれよ」
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