双语阅读:【青春小说连载】春の夢(147)
小说《春之梦》发表于上世纪80年代,描写的是一位大学生的生活。父亲欠债而死,大学生哲之就流浪、打工,偿还所欠的债务。一只被钉到木柱子上的蜥蜴还活着,一直陪伴着他。还有他的爱情生活也激励着他生活。经过一年的奋斗,终于走出阴暗的生活。
十(18)
そう磯貝は提案した。哲之も同じことを前々から考えていたのだが、心のどこかに絶えず、それとは別の思いもちらつくのだった。キンはいまちゃんと生きている。釘を抜いたら死ぬかもしれないが、釘を刺したままにして、餌を与え、水を与えやったら生きつづけるだろう。哲之は、キンに再び苦痛をもたらしたくなかった。キンは生きつづけてもらいたかったし、なによりも、彼はキンと別れてしまいたくなかったのである。彼は、ノコギリとノミを使って、釘が突き刺さったままの状態でキンの体を柱から外してしまおうとも思ったりするのである。しかし、そうすれば、柱の一部は抉り取られ、アパートの持ち主は弁償を求めてくるだろう。襖が破れたとか、ガラス窓が割れたとかの程度なら、たたがしれているが、柱の一部がえぐり取られたとなったら、多額の弁償金が必要になる。哲之は磯貝に、その自分のもうひとつの案を話してみた。磯貝は、うーんと唸って考え込んだ。
「必然性のある事故をでっちあげるしかないやろな」と磯貝は言った。
「柱の一部がえぐり取られるような、必然的事故て、どんなんや」
「判らん。しかし、何か思いつきそうな気もするんや」
「考えてくれよ。俺は四月にこのアパートを出て、お袋と一緒に暮らすことに決まった。キンをこのままにして出て行くわけにはいかん。釘を抜くか、柱ごと持って行くかしかないんや」
ふたりは幾つかの策を口にしたが、どれも非現実的で必然性もなかった。
「鼠がかじったっちゅうのはどうや」
「そんなアホな。誰が信じると思うねん」
哲之は磯貝を横目で睨んだ。ついに良案は浮かばぬまま、ふたりは蒲団に入った。蒲団は一組しかなかったから、同じ蒲団の中で互いに背を向け合って寝るしかなかった。隣室の、ひとり暮らしの婦人が窓をあけ、猫を呼んでいた。
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