日本语能力测试一级阅读模拟:第1篇
[悪魔]は日本にも存在するのだろうか。日本人にとっての悪魔の概念を、国際日本文化センターの山折哲雄教授(宗教学)に本誌、羽賀神朋子が聞いた。
善悪の感覚について、日本には、ユダヤ教やキリスト教の悪魔に相当するものは存在しない。日本にも鬼というものはあるが、これには「悪」の側面と同時に「神」の側面もあり、
神はときに鬼の面をかぶって他界からやって来たりする。
つまり善とは悪に対立せず、ダブルイメージとしてお互いに融合し互換可能な関係にある。
これが日本人の善悪に関する考え方の一つのメルクマールだ。
仏教の思想について、仏教では、地獄に堕ちた者でも仏の慈悲により直ち往生できるようにさまざまな救済措置が用意されている。地獄に堕ちた悪魔的な人間が永久に閉じ込められているキリスト教的な考え方とは、この点が大きく異なる。
こうした仏教の考えを背景としているため、善悪にあまりこだわるべきでないという考え方が日本人にはある。宗教の極地は善悪を越えたかなたに存在し、善悪はむしろ世俗的な問題だ、というわけだ。善悪にこだわるのは、生き方の本質ではないと考えられてきたのである。
そのため日本人には絶対的な悪の観念がなく、根源的に悪を掘り下げ突き詰めていくという思考形態も培われていない。それで子どもに悪魔という名前をつけるような、悪の「遊び化」といった現象も起こる。
オウム事件について、オウム真理教のような事件はある意味で、キリスト教やユダヤ教で問題にされてきた「悪」が眼前に現れてきたような出来事だった。事件を機に、日本人は初めて「根源悪」ともいうべきものに直面し、人間の悪の姿に気づきはじめたといえるのではないか。
だから今回の事件でも、非常にヒステリックに反応するばかりで、オウム抹殺論のような極端で幼稚な議論しかできない。
逆の言い方をすれば日本人はこれまで、そのくらい幸福だったともいえる。そういう人生観を今後ももっていけるなら、それはそれで必ずしも悪いことでない。さらにこうした楽観的な考え方が世界のものになれば、世界全体は平和になるのかもしれない。そうはいないのが現実なのだが。
難しい言葉
悪魔:あくま/恶魔,魔鬼
ユダイ:犹太
懲らしめる:こらしめる/制裁を加えて懲りるようにさせる/惩罚,教训
ダブルイメージ:二重の印象/双重印象
慈悲:じひ 慈悲
往生:おうじょう この世を去って他の世界に生まれ変わること。特に死後、極楽に生まれる こと。(佛)极乐
掘り下げる:ほりさげる /突っ込んで考える。深く究明する。/深挖,深入思考
培う:つちかう /能力や性質を養い育てる。育成する。/培养,培育
ヒステリック:ヒステリーを起こしているさま。また、興奮して、極度に感情の高まっているさま。/歇斯底里
抹殺:まっさつ /人や事実などの存在を否定し、消し去ること。/抹杀,勾消
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