双语阅读:《福尔摩斯之红发会》第11回
私がその夜、家を発ったのは九時十五分過ぎであった。ハイド·パークを抜け、オックスフォード街を通ってベイカー街へ出た。玄関先には二台のハンソム馬車が止まっていて、私が玄関を入ると上階から話し声が聞こえた。部屋に入っていくと、ホームズは二人の男と熱心に話をしていた。一人はかねてからの知り合い、警視庁のピーター·ジョーンズだった。もう一人は背が高く、細身で暗い顔のした男だった。光沢のあるシルクハットを持って、嫌みたらしく上等のフロック·コートを羽織っていた。
「さあ! これで全員揃った。」ホームズは皆に呼びかけた。ピー·ジャケットのボタンを掛けながら、棚から丈夫な狩猟鞭を持ち出した。「ワトソン、スコットランド·ヤードのピーターくんは知っているね。こちらにいらっしゃるのはメリウェザーさんといって、今夜の冒険に同伴してくれるのだそうだ。」
「博士、また一緒に捜査することになりましたな。」とジョーンズはもったいぶった調子で言う。「ここにおられる友人は狩猟がとてもうまいから、追いつめた後に、引っ捕らえるだけの老犬がいればいいんですと。」
「終わってみれば雁(かり)一羽、なんてことにはなってほしくないですな。」とメリウェザー氏はむっつりと言う。
「なぁに、ホームズさんのことだから大船に乗ったつもりで。」ジョーンズは自分のことのように、横柄に言ったものだ。「この人にはちょっと独特の方法があるんですよ。言って気を悪くなさらないといいのですが、あえて言わせてもらいますよ。少々理屈っぽくて空想に耽ることが多い、けれども、彼は立派な探偵であります。これまでも一、二度ばかりでなく、例えばショルトォ殺人事件やアグラ財宝事件でも、本職の警察(われわれ)よりも真に迫った推理をなさったんですよ。」
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