双语阅读:《福尔摩斯之红发会》第15回(完)
二人で現場に行ったとき、僕はここまで推理していた。あのとき、僕がステッキで歩道を叩いて、君を驚かせただろう? 地下室からトンネルが店の前、後ろ、どちらに掘り進められているのか確かめたかった。次にベルを鳴らすと、ベルに応え、望み通り店員が出てきた。僕とやつは何度か小競り合いをしたことがある。だが互いに顔を合わせたことは一度もない。だから顔なんて見なかった。見たかったのはやつのひざ小僧だ。君も覚えているだろう? やつのひざはすり切れ、しわだらけで、汚れていたことを。何度も何度も穴を掘っていた証拠だ。これで残る点は、何のために掘っているのか、のただ一つとなった。僕は街角を回ってみて、理解した。シティ&サバーバン銀行が我が友人の質屋と背中合わせになっていると。これで事件は解決したというもの。音楽会の後、君は馬車で家へ帰った。しかし僕はスコットランド·ヤードに寄り、次に銀行の頭取を訪ねた。その結果は君の見たとおりだ。」
「だが、どうして今日決行されると?」
「ふむ。それはやつらが連盟の事務所を閉めたからだ。つまりそれがジェイベス·ウィルソン氏が店にいても邪魔にならなくなったということだろう? 言い換えれば、トンネルを完成させたということだ。完成した以上、すぐ計画を実行する必要があった。トンネルが発見されるやもしれない。金貨が別の場所に移される可能性もある。それに、土曜日が他の日よりも都合がいい。逃げるのに二日の猶予がある。こうして僕は、今夜襲撃があると見当をつけた。」
「快刀乱麻を断つ見事な推理だ。」私は心の底から感嘆した。「長い長い鎖が、最初から最後まで正しくつながったよ。」
「おかげで、いい退屈(アンニュイ)しのぎができた。」ホームズはあくびをしながら答えた。「ああ、もうそいつがやって来たようだ。平々凡々とした生活から逃れようと、四六時中もがいている。これが僕の人生だ。こうしたささやかな事件があると、いくらか救われた気持ちになる。」
「そうやって、君は赤毛だけでなく人々皆を救っている。」
私の発言に、ホームズは肩をすくめた。「結果として、少しは役に立っているのかもしれんな。『本人などどうでもいい――やったことがすべてなのだ。』と、ギュスターヴ·フロウベールがジョルジュ·サンドに書き送っているように、ね。」
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