【日本文化略知一二】食料自給率40%の経済大国日本 (下)
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日本には、「半導体やら自動車やらを売って、そのお金で海外から食料を買えばよい。」という意見もある。だが、お金さえあれば、いつでも食料が買えると思っているとしたら、それは大間違いである。生産国が冷夏や干ばつなど異常気象などで不作になったが最後、とたんに輸入が途絶えてしまうといった危険もあれば、地域紛争によって輸入がストップするような事態もあり得るのである。2030年に89億に達する世界人口の増加、砂漠化などによる農地の減少、地球温暖化に伴う水資源の枯渇など、食料危機はいつ始まってもおかしくない状況なのである。
こうした不測の事態に備えるのは国の義務であり、「食料安全保障」の観点からも、農業の保全と自給率の向上は、ぜひとも必要なのである。同じ島国であるイギリスは、1970年度の食料自給率は46%だったが、 小麦などの増産に励み、2000年度には74%にまで高めることに成功した。日本と同じ山がちな国土を有するスイスに至っては、憲法にまで小麦の自給率を明記する徹底ぶりであり、1970年には40%台だった食料自給率を、2000年には60%にまで回復させている。日本だけが今のままでいいわけがない。それなのに、日本では、今も毎年2、3万人が離農し、1%程度の農地が失われているのである。
下期预告:高まる改憲論、日本はどこへ行く
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