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语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(95)

时间:2012-04-27 11:47:22  来源:可可日语  作者:dodofly

东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。

Ⅲ(23)

別府駅からまっすぐ山に向かって道路が延びる。道の端々からは溝を流れる温泉の蒸気が冬の空気に白く立ち昇り、所々で湯の花の匂いがした。
駅には白いジャージの上下を着た、いかにもオトンの知り合いという風体の人が黒い車で迎えに来ていた。
「明日の段取りはもうしてあるんで、今日は旨いもん食うて、温泉につかって、ゆっくりして下さいねぇ。せっかく別府まで来てくれたんやけん」

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白ジャージの人は山間にどんどん車を進めながら、森の隠れた「山賊料理店」という看板がかかった山荘に車を停めた。
この店はその場で絞めた軍鶏を出すとのことで、刺身や網焼きは確かに匂いんだが、窓の外からは「クケーッ!!」とか「キョケーッ!!」といった今際の叫びが聞こえて来て、その山賊テイストにはいつていけなかった。
「坊ちゃんは、来年から別府に来ると?」
「ええ……、受かれば……」
「別府に来たら心配はいらんよ。おいちゃんがなんでも面倒みてやるけんね」
なんだが怪しい感じになってきたなぁと不安になってオカンを見ると、「軍鶏の刺身はおいしかですねぇ」と山賊料理を満喫しているようだった。

オカンはうれしかったのだと思う。考えてみれば、ボクとオカンとオトンが三人で旅行したことなど、この時が初めてで、といってもこれも旅行というほどの旅行ではないのだけど、やっぱり、後にも先にも、この時が初めての、たった一回きりの家族旅行だったから、誰よりも楽しんでいたのはオカンだったのだと思う。
温泉旅館に泊まって、みんなで浴衣を着る。風呂から上がって、オトンにビールを注いでいるオカンの様子を見た時、なんかこのふたり夫婦みたいだなぁ、と思った。
ボクもその感じがなんだかうれしかった。

次の日。白ジャージの出迎えで、受験する高校に縁が深いという画家の先生の自宅にお邪魔した。

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