双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(126)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅳ(25)
「お土産にオカンのセーター買うたけん」
「そうね、早う帰って来なさい。いっぱい御馳走作らんといけんねぇ。なにが食べたいね?食べたいもん言うてみなさい」
「おにぎりがいい」
「そげなもんやないでもよかろう。肉ね?」
「おにぎりと、オカンの漬物が食べたい」
「はい、はい、わかった。気をつけて、早よ帰って来なさい。待っとるけんね」
「うん」
飛行機に乗って飛んで帰った。汽車を乗り継ぎ筑豊の家に着いたのは夜遅くだった。エプロンをしたまま、オカンは迎えに出て来て「おめでとう」と言った。
「おなかすいたやろう、いっぱい食べなさい」
こたつの上には大きな木桶(おけ)がある。その中には、かしわ御飯、のり巻、ふりかけ、しそまぶし、色んなおにぎりが桶いっぱいに何十個も丸く並んでいた。揚げ物、焼き物、煮物、テーブルに載らないくらいおかずがある。ぬか床から、蕪や胡瓜(きゅうり)の漬物を抜いてきて、皿に盛り付け、お椀に豚汁を注いだ。
「さぁ、食べなさい」。オカンとふたり、たくさんの料理とたくさんのおにぎりに囲まれて合格祝いをした。合格声明書を渡すと、オカンは正座してずっとそれに見入った。ガーゼのハンカチで目頭を押さえていた。
「よう頑張ってたね、ありがとう」。なぜか、ボクはお礼を言われた。そしてオトンから電話が掛かった。
「おう。受かったちのぉ」
「うん」
「おまえは、小さい頃から、クジ運が良かったけんのぉ」
「そうやね」
「良かったやないか、東京行くまで、お母さん孝行しとけ」
「うん、わかった」
卒業式も終わり、大分の下宿を引き揚げた。春になるまでの間、筑豊の町で過ごした。前野君は自衛隊に入隊することになった。お姉ちゃんは看護婦になっていた。
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