双语阅读:《福尔摩斯之三桅帆船》第6回
「そうなんだ。――彼奴(かやつ)は悪魔そのものなんだ。あれ以来と云うもの、僕たちはただの一日だって、平和だったことはありアしないんだ。親じはあの夕方以来、頭を上げたことがないんだ。そして今や、命をなくそうとしている。親じの心はこの呪うべきハドソンのおかげですっかり滅茶々々になってしまったんだ」
「どんな力を彼奴(かやつ)は持ってるんだろう?」
「それこそ、僕が知りたいと思ってることなんだよ。――ああ、あの親切な、情深い、人のよかった老いた親じ。――一体、どうしてあの親じが、あんな無頼漢につかまったんだろう? ――だが、僕は君が来てくれたので本当に嬉しいよ。ホームズ。――僕は君の判断と分別とに絶対信頼しているんだ。そして君は僕に、きっと一番いい方法を教えてくれるだろうと信じているんだよ」
僕たちは滑らかな白い田舎道を走っていった。僕たちの前には、広い川の長々と延びた流れを越して、沈みかかった太陽の赤い光りが輝いていた。僕たちの左手(ゆんで)にある森の上には、もう大地主であるトレヴォの家の高い煙突と旗竿とが見えていた。
「僕の父親は奴を庭番にしたんだよ」
と友達は云った。
「だが奴(やっこ)さんそれでは満足しなかったので、賄方(まかないがた)に出世させてもらったんだ。まるで家の中は彼奴(かやつ)の思うように左右されてるようなものなんだ。彼奴(かやつ)は家の中をぶらぶら歩き廻って、何でも自分勝手な事をしてしまうんだよ、女中たちは彼奴(かやつ)の酔っ払らいと乱暴な言葉使いに腹を立ててブツブツ云う。親じは仕方なしに、その不平を押えるためにみんなの月給を上げてやると云う始末なのだ。それなのに奴さんは、ボートを引っぱり出し、親じの一番いい鉄砲を持ち出して、打ちに出かけるんだ。しかもそう云う我が儘を、何んだか人を小馬鹿にしたような、いかにも意地の悪そうに見える横柄な顔をしてやるんじゃないか、僕はもし彼奴(かやつ)が、僕と同年輩ぐらいの男だったら、もう二十度は叩きのめしてやってるんだ。けれどホームズ、僕はこうした出来事のある間、じっと辛抱していた、そして自分が進んで何かことを起こすのは、悧巧(りこう)なことじゃないのだろうかどうかと、始終迷っていたんだ。
ところが事態は、ますます悪くなって行くんだ。この獣(けだもの)のような男のハドソンは、ますます出しゃばるようになって来て、とうとうしまいには、ある日のこと僕の目の前で僕の父親に傲慢な乱暴なことを云ったんだ。で僕はむっとして、彼奴(かやつ)の肩をひっ掴むと、部屋から外へほうり出してやったんだよ。すると彼奴(かやつ)は、真蒼な顔をして、毒々しい両眼にびっくりしたらしい表情を浮べて、ものも云わずに逃げてってしまったんだ。が、それからあとで、僕の哀れな親じと彼奴(かやつ)との間に、どんな交渉があったか知らないけれど、翌日親じは僕の所へやって来て、彼奴(かやつ)に詫びてくれるかどうかと云うんだ。無論君の想像通り断ったんだよ。そして僕は親じに、どうしてああ云う無頼漢に、親じに対してもまた家庭の内ででも、こんなに勝手なことをさせておくのかときいてみたんだ。
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