双语阅读:《福尔摩斯之证券经纪人的书记员》第2回
「君は最近風邪をひいたらしいね。――夏の風邪って云う奴はどうもいかんね」
「先週三日ばかり、馬鹿に寒気がしてね、家に閉じこめられちまったよ。けれどもうすっかりいいつもりなんだ」
「そうらしいね。丈夫そうに見えるよ」
「けれど、どうして僕が最近風邪をひいたって云うことが分かったんだい?」
「君は、いつもの僕のやり方を知ってるじゃないか」
「じゃ、やっぱり推定したんだね」
「無論さ」
「じゃ、何から?」
「君のスリッパから……」
私は自分の穿いている護謨革(ごむがわ)の新しいスリッパを見下ろした。
「だが、一体どうして――?」
私は云いかけた。がホームズは私が云い終らないうちに、私の質問に答えてくれた。
「君のスリッパは新しいんだろう」
と彼は云った。
「君はそれをまだ二三週間以上は穿いてないよ。それだのに、今、君が僕のほうにむけているそのスリッパの底は、どこか焦げたような色に変色しているんだ。そこで僕は考えたんだ。このスリッパは湿ったに違いない。そして乾かす時に焦がされたんだ、とね。――ところがそのかがとのほうに、何か商店のマークのようなものが書いてある丸い紙が貼られてるだろう。もし全体がぬらされたものだとすると、無論そんな紙ははがれてなくちゃならないさ。そこで、君は腰かけていて、火に足をさし出していたんだと云うことになったんだけれど、この六月なんて云う暖い季候に、いかにスリッパが湿ったからと云って、普通の健康体の人間なら火に足をかざすなんてことはしっこないからね」
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