双语阅读:《福尔摩斯之红发会》第10回
我々は地下鉄でオルダーズゲイト駅まで行った。しばらく歩くと、サックス·コバーグ·スクエアに着いた。今朝、我々が聞いた奇妙な話の現場である。みすぼらしく、息の詰まるような街で、すすけた煉瓦造りの二階建てがいくつも立っていた。その建物は小さな空き地の四方を囲んでいた。空き地には柵が張り巡らされ、中には雑草のような芝生としおれた月桂樹の茂みがあった。二種の植物は煙にまみれた不快な空気の中、ひたむきに生きようとしているようだ。角の家に行くと、三つの金メッキした球と、褐色の板に白で『ジェイベス·ウィルソン』と書かれた看板があった。あの赤毛の依頼人が商売をしている店だ。シャーロック·ホームズはその店先で足を止める。首を傾げ、店の全景を見据えた。眉は寄せられ、目の奥が光っているように見える。その後、街をゆっくり歩き始めた。また我々が入ってきた角へ向かったかと思うと、家々を鋭く見つめながら引き返してくるのである。最後にはあの質屋の店先に戻ってきた。ステッキで歩道を力強く二、三回叩いてから、店の戸口に近寄っていった。ノックをする。すぐに扉が開けられて、頭の良さそうな男が出てきた。ヒゲはなく、つるつるしていた。男はお入りください、と我々を招いた。
「どうも。」ホームズは多少の謝罪を入れてから、「すまないが、ここからストランド通りへはどのように出たらよいのだろうか。」
「三つ目の角を右、四つ目の角を左だ。」店員は手短に答えると、扉を閉めた。
「頭の切れる男だ、あいつ。」戸口を離れ、我々は立ち去ろうとしていた。ホームズは話を続ける。「私見だが、やつは抜け目のなさで、ロンドンでは四番目だ。大胆さにおいては三番目と言ってもいい。やつと、多少のかかわりがあってね。」
私は口を挟むことにした。「うむ。ウィルソン氏が雇った店員か。赤毛連盟の謎に、一枚かんでいるにちがいない。君があんな事を尋ねたのは、あいつの顔が見たかっただけなんだろう?」
「顔など問題ではない。」
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