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《伯爵与妖精》卷二第二章魔兽的妖精之卵2.6

时间:2011-10-19 13:27:39  来源:可可日语  作者:ookami

 ひとつ買ってきて、エドガーがリディアに手渡す。
「どう? 中身は」
「何も入ってなさそう」
「あの手品師は、ここと契約(けいやく)している芸人のひとりだ。しょっちゅう扮装(ふんそう)と名前を変えて、いろんな企画を催しているけど、とくに不審(ふしん)な点はないね」
「少なくとも、このガラス玉には妖精を惹(ひ)きつけるようなものは何もないわ。ほら、色が濁(にご)ってて美しいガラスじゃないし、中はまるきり空洞(くうどう)でしょ? 何か妖精の好きなものが入っていたら別だけど、これだったらまだ、きれいな井戸水をガラスの器に入れておいた方が、妖精を呼べるわよ」
「とすると、ドーリス嬢(じょう)がいなくなった原因を、妖精のせいにするのは無理があるか」
「そうね……。でも妖精のせいじゃないと判断するには、もう少し調べてみたいわ」
 考えながらリディアは、ガラス玉をエドガーに返した。
 そのとき、小屋の中ほどでガラスの割れる音がした。「きゃあ」と女性の悲鳴があがる。誰かが妖精卵を割ってしまったらしい。
 と、連鎖(れんさ)したかのように周囲でいくつかガラス玉が割れた。
 破片で怪我(けが)をした人もいるらしく、騒然となる。
 それを静めようと、手品師が声を張り上げた。
「ああ、お嬢さん方、妖精の扱いにはお気をつけくださいよ。くれぐれも、手荒く扱ったり悪口を言ったりなさらないよう。怒って卵を破裂させることがありますのでね」
「……いいかげんなことを」
 リディアはつぶやく。
「体温で膨張(ぼうちょう)するガスでも入っているのかも。破裂させたのはサクラだろうと思うけど、人込みで破片をとばすなんてあぶないな」
「おい、リディア、上だ!」
 そのときニコの声がした。
 姿を消してついてきていたらしい妖精猫に教えられ、視線を上げたリディアは、小屋の天井近くの梁(はり)に妖精の姿を見つけていた。
 赤ん坊ほどの大きさ、老人のようなしわくちゃの顔、毛に覆われた身体と小さな角を持った小鬼妖精(ボギービースト)。
 梁に座って笑っていた妖精は、ふと首をこちらに動かした。
 リディアと目が合う。
(ほう、見えるのか?)
 とたんにそれは姿を消した。

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