双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(17)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅰ(17)
たまに、ガーゼの袋を持っていく時も、争ってそれを手に入れることができず、一度もそのパンを食べれないでいる消極(しょうきょく)的な子供だった。
大人たちの関係は修復されることもないまま、ボクたちは一年後に食堂の片隅からも出て行くことになる。ここから事実上、本当の別居になるのだろう。
福岡の田舎。筑豊の小さな炭坑町。一日八本の運行しかない赤字単線の終着駅がオカンの故郷だった。結局、オカンは子供を連れて実家に出戻ることになったのだ。実家には婆シャンがひとりで暮らしている。
この町は、毎日夕方になるとサイレンが鳴り響く。両耳を突く警告音とアナウンス。それに続いて重たい爆音と町中を底から揺らす地響きが起こる。家中が痺れたように震えて軋む。
炭坑の発破(はっぱ)を知らせるその音や振動も日常化したこの町で、いちいちそれに足を止める者はいない。
「さん、にい、いち……。ドーン!!」
子供たちはサイレンを聞くと笑いながら爆発(ばくはつ)音に合わせて、一緒に跳ねた。
炭坑から炭住の周囲を石炭を積んだトロッコが走る。町の中をガタゴト鳴らして、黒ダイヤをポロポロこぼしながらトロッコは次々とトンネルの闇へ消えてゆく。
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