双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(20)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅰ(20)
ボクが小学校に上がり、ランドセルを背負って下校する道すながら、いつも商店街や駅前で、ばあちゃんの姿を探しながら帰った。
冬には、何枚も重ね着して着脹れしたばあちゃんを、夏には、男みたいな白いシャツ一枚で、首からタオルを下げたばあちゃんを見つけては、こっそり後ろから近づく。気付かれないようにゆっくり、ゆっくり、近づいて荷台に座り、魚の生臭い匂いに揺られながら町の中を抜けていく。ふわふわしたクッションの上にいるような心地良い振動だった。
家は急な坂道の頂上にあった。魚と氷を乗せたりリヤカーは、平坦な道ならともなく、坂道では若い男が引いても、慣れない者は後ろ向き引っ張られてしまう。
坂の途中でばあちゃんは何度も休憩を取りながら、息を切らせて少しずつ登った。遠くからでも見える急な坂道にいるばあちゃんを見つけると、ボクは急いで駆け寄って、後ろからリヤカーを押した。
後ろから力が加わると、ばあちゃんは振り向き、ニヤリと笑って、また前を向き直ってリヤカーを引く手に力を入れる。
近所の人も、ボクの友達も、坂道でばあちゃんを見かけるとみんな後ろから押して手伝った。人情の厚い町だった。
そんなばあちゃんを見ていると、ボクは時々、思うことがあった。
"なんで、ばあちゃんはひとりで住んでいるんだろう?”
九人の子供と二十人近い孫。その孫の中で、ばあちゃんと暮らした経験があるのはボクだけしかいないそうだ。
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