双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(22)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅰ(22)
すべての窓には鉄格子がはめ込まれ、病棟の扉は夜になると鍵がかけられる。隔離病棟の床は赤。一般病棟、その他の廊下は緑になっていた、赤い廊下に立たされたボクは看護婦さんに「絶対に赤いところから出ちゃダメよ!!」と悲しいほど念入りに指導を受けた。
ところが、入院して二日目には腹痛も下痢も治まり、赤い廊下で元気一杯走り回っていた。それでも、新聞に載るような大人物は簡単には外に出してはもらえない。
数日が過ぎて、オトンが面会にやって来た。久し振りの親子の対面は廊下の色で隔たりを設けられていた。例の看護婦から説明を受け面会のスペースへオカンは連れて来られた。
二色の廊下の上をまたぐようにテーブルが置いてあり、テーブルの上にも白いビニールテープでセーフティ・ゾーンとデンジャラス・ゾーンの境界線が引いてある。
ちなみに、オトンはどこでも煙草を喫う。ミスタースリムという細長い煙草をどんな場所でも平然と喫う。右手小指の爪だけ伸ばしてあって、煙草のセロハンをその指ですくって剥がす。そういう人である。
潜水艦の中でも煙草を喫うであろうこの人にとって、病院、病人の前での喫煙(きつえん)は当たり前。なにかオカンと言葉を交(か)わしたと思ったら、すぐにポケットから煙草を取り出し、テーブルの上にポンとそれを投げた。
そして、その煙草の箱が、白いテープから少し、こちらにはみ出したのである。すると看守のように隣で見張っていた看護婦が踵を返し消毒弁を持ち出し、ミスタースリム目掛けて大量噴射した。
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