双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(57)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅱ(32)
結局、スカの景品としてバッタもんのピコタン人形を出し、「はい、ありがとねぇ」である。そして、次の日にババアの店に行くと、その一等のプラモデルを店の壁に掛けて、百円とかで売ってるんだから、もう、本当に、見上げたもんだよババアのふんどしである。
ところが、ボクらが「ねぶり籤」と呼んでいた籤は、籤の紙自体にニッキが塗ってあって、舐めて濡らすことにより文字が浮かんでくる仕組みになっているため、さすがのババアも、これには細工(さいく)のしようがないらしく、ボクらはそれを毎日、ベロベロとねぶり倒し、「一等」が出て来ると、「ほら!ババア!!一等がでたばい!!」とババアの鼻先にヨダレでベロベロになった一等の籤を見せつけ、日頃の溜飲を下げていたのであった。
そんなイカサマはババアの駄菓子屋に限らず、たこ焼きのたこ焼きには、たこだけでなく「チクワのブツ切り」が入っていたが、もう、この街では誰もそんなことを指摘する人はいなかった。
小倉の市場の人たちは、ばあちゃんに連れたれたボクを見掛けると「おーっ。マーくんね。大きくなったねぇ。夏休みで帰って来とるんね」と声を掛けてくれたが、ボクはまるで「帰って来た」という言葉にピンと来なかった。
米屋に寄るとばあちゃんが配達を頼む。夏休みのボクがいる時は「プラッシー」も一緒に注文してくれたので、毎日、プラッシーをガブガブ飲めてうれしかった。
ばあちゃんとの買い物には、隣の家のおばちゃんも一緒に行くことが多かった。おばちゃんの夫婦には子供が授からず、いつも市場に行く途中にある建物と建物の間の小さなお地蔵さんに長い時間手を合わせて、子宝に恵まれることを祈っていた。
子供ができて困る人もいれば、子供ができずに祈る人もいる。
子供ができて"まさか自分に子供ができるなんて"と驚く人もいれば、子供ができずに"まさか自分に子供ができないなんて"と驚く人もいる。
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