双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(104)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅳ(3)
それまでは、住んでいる場所で、ただ小学校も中学校も、みんな同じ通うだけだったのに、これから先は学力という格付けでそれぞれが違う学校へ進み、家庭の事情で働き始める者もいる。そのことに、なにか社会への始まりと違和感を憶えながら、ボクはこの町を出て行くことになった。
別府湾から続く穏やかな坂道は山間に延び、その道の途中にある小さな木造アパートが、ひとり暮らしを始める十五歳のボクの部屋だった。別府鉄輪温泉の近くにある、アパートの周辺は旅館やホテル、遊園地が建ち並んでいる。
かつて賑わったこの温泉街も、その頃には湯布院にその人気もとって代わられ、ひなびた淋しさがどの街角にも漂っていた。
長く空に向かう煙突から白い煙を吐いた製鉄の街、ボタ山の所々から有害な白いガスを洩らす炭坑の町、そして沿道の溝から硫黄の匂いと白い湯気を煙させる温泉街に。
ボクは薄日の靄のかかる寂れた街を、その昔の活気を失って廃(すた)れた白い街を転々としているようだった。
「チビは小さい時から、籤運が良かったけんのぉ」とオトンは満足気に電話してきた。
発表から入学までの短い間、引越しや入居の準備で慌しくなった。木造二階建て、風呂トイレ共同、家賃二万円のアパート。その近所にある古い定食屋に月極二万円で三食の世話をしてもらうことになった。
花の膨らむ香りが立ちこめていた。温泉街の春は、炭坑町の春よりも柔らかく、温かく感じる。人の足が遠のいている観光地とはいえ、坂の上から見える海も、整地された公園も、立ち昇る湯気も、すべてが筑豊の煤けた町並みより、ボクの眼には穏やかに映った。
オカンは離れて暮らすことになったボク新しい部屋を丹念に掃除し、日用品を買い揃え、火の回りには注意書きのメモを貼って、近所隣室に挨拶して歩いた。
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