双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(122)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅳ(21)
それを約束させられたママは、お母さんに会いたい気持ちを胸にしまって、男としての手紙、嘘でかためた母を安心させるための手紙を毎月、お金と共に送ったという。
それを何年も経ち、どうしても一目母の姿が見たいとその気持ちを抑えられず、兄との約束を破って実家に帰った。昼下がりの時。
いつしか生家は老朽し、周囲の風景はすっかり変わっていた。玄関のチャイムを鳴らすことができず、勝手口に回り、居間の窓の隙間(すきま)から、すっかり年老いた母の姿を垣間見たのだという。
「もう、身体も小さくなって、そこでテレビを観てたの。あたしはもう、その後ろ姿を見よったら、その場で涙が出て、涙が出て、お母さん!!って抱きつきたかったんだけど、それもできんでしょう……。こんな身体やし……。そやけん、その窓の隙間からお金を入れた茶封筒だけ投げ入れてから、走って逃げたんよ……。情けないやら、悲しいやらで、お母さんごめんねぇち思うてねぇ。
そしたら、それから一週間くらいした時に福岡のあたしの家にお母さんから手紙が来たんよ……。それにはね、この間はありがとうって……。あなたがそういう風になっていることは、とっくの前から知っていましたよ。あんたが言いたがらんから、私からも言えんかった。でも、これからは、いつでも好きな時に帰って来て下さい。あんたがどんな身体になっていても、あんたは私の子供なんやからって……」
そこまで話すとオカマのママはつけ睫毛を飛び散らせながら、声を出して嗚咽した。ボクも、もらい泣きした。オトンは笑っていた。
「ボク!!『おふくろさん』、歌える!?森進一の?」
「は、はい。たぶん」
「歌うてぇ!!」
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