双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(131)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅴ(1)
春になると東京には、掃除機の回転するモーターが次々と吸い込んでゆく塵のように、日本の隅隅から、若い奴らが吸い集められて来る。
暗闇の細いホースは、夢と未来へ続くトンネル。転がりながらも胸躍らせて、不安は期待が押さえ込む。根拠のない可能性に心惹(ひ)かれた。そこに行けば、なにか新しい自分になれる気がして。
しかし、トンネルを抜けると、そこはゴミ溜めだった。
埃が舞って、息もできない。薄暗く狭い場所はただ、モーターの機械音が鳴り響き、ぶつかり合っては、かき回される。
ぐるぐるぐるぐる、ぐるぐるぐるぐる。
愚鈍(ぐどん)に見える隣の塵、無能に思える後ろの屑も、輝かしいはずの自分も、ただ同じ、塵、屑、埃は同じ方向に回され続けるだけ。
ぐるぐるぐるぐる、同じゴミだ。
ほらまた、そしてやって来る。一秒前、一時間前、一年前の自分と同じ、瞳を輝かせた塵、屑、埃がトンネルの出口からこの場所へ。
ここは掃除機の腹の中。東京と言う名前のゴミ溜め。
集めて、絞って、固められ、あとはまとめて捨てられる。
"人間の目的は、生まれた本人が、本人自身につくったものではなければならない"。
明治の文豪はそう言った。でも、こんな時代の若い奴らに、自分自身の心の奥から、熱く滾り魂の蛇口から作り出される目的なんかありはしない。たとえそれを「夢」と言う言葉に置き換えて、口にする奴がいたにしても、その「夢」の作り方は、そのへんのテレビや雑誌のページにとりあえず、自分のくだらなさを貼り付けただけ。
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