您现在的位置:首页 > 双语阅读 > 小说与诗集 > 东京塔 > 正文

双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(145)

时间:2012-06-26 14:49:54  来源:可可日语  作者:dodofly

东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。

\

Ⅴ(15)

ボクは就職活動をするつもりが、やっぱりなかった。なにがやりたいのか、ぼんやりとそのカタナは見えてきたものの、それがなんだかは、まだわからない。
「とりあえず、卒業はちゃんとするけど、それからのことは卒業してから考えるよ」
オカンにそう言ったが、オカンはせっかくなのだから、ひとつでもなにか受けてみたらどうかと言う。学生課に行って求人の資料に目を通(とお)しても、その気にはなれなかった。
「新卒やのにから、もったいないねぇ」
オカンには留年もさせてもらって申し訳ない想いが強い。なにかオカンのために受けてみてもいいのだけど、そのなにかさえ見当たらない。
そして、大手の音楽制作プロダクションをひとつ受けてみることにした。
「なんでもいいけん、受けてみなさい」
どんなところでも、親はとりあえずの行く先が決まれば安心するらしい。
ボクはベージュのスーツしか持っていなかったのでそれを着て行ったが、筆記試験の会場はリクルートスーツを着た学生しかいなかった。音楽の仕事をするのになんで、こんな難しい筆記試験をやるんだろうか?と甚だ疑問に感じての休憩時間、他の学生と話をしたら、やけに東京大学の学生が多い。東大まで卒業しといて、なんでこんな会社受けるんだろうと、またしても疑問に感じていたところ、面接の一発目、面接官に言われたことは「美大から試験を受けに来たのは、うちの会社始まって以来だなぁ」だった。
三人の面接官のうち、ひとりだけネクタイを締めていない男が、ボクの記入した用紙を見ながら質問をしてくる。派手な服を着て、赤の眼鏡(がんきょう)をかけた嫌な奴だった。
「こういうこと書いてて、恥ずかしいと思わないの?」
赤眼鏡は"好きな言葉"という欄にボクが書いた一行について、なにか言いたそうだ。好きな言葉と尋ねれても思い浮かぶものはなかったので、音楽制作会社である手前、なにかの曲名にしようと思った。「バージン・キラー」でも「ゴマすり音頭(おんど)」でもよかったのだけど、就職試験ということで書いた曲名はこれだった。
“All you need is love(愛こそはすべて)“
「クサイよー、君の、そのセンス!!オレとかハッキリ言っちゃうけど、ダメだよなぁ、そうゆうクセいセンスって。古くない?」
「ビートルズは、クサいですかね?」
「あぁ、ビートルズの曲名なの?にしてもさあ、ちょっと恥ずかしいセンスだよ」
ボクは、こんな所にわざわざ来たことがバカらしくなっていた。こんな奴らがものを作っているのか?くだらない。ボクはそのプロダクションの作品で、その当時流行っていた歌謡曲のタイトルを引き合いに出して言った。三年も経てば風化して、ゴミ箱に捨てることさえ恥ずかしいような曲だった。
「ボクは、そっちのセンスの方が恥ずかしいですけどねぇ」
「えっ!?どこが?わかってないよ君!!」
「『All you need is love』。一度聴かれてみたらどうですか?いい曲ですよ。ものすごく有名な曲ですけどね」

上一页 [1] [2] 下一页

相关阅读

无觅相关文章插件,快速提升流量