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魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第七章7.4

时间:2011-10-10 13:17:45  来源:可可日语  作者:ookami

「お帰りなさいませ、|ご主人様(マイロード)」
 彼の家系の何人の執事が、そう口にする日を待ち望んできたのだろう。それほど彼は感慨(かんがい)深げに見えた。
「このような普段着で失礼します。この家の者が報せてくれたのですが、なにぶん突然のことで、伯爵が生きて[#「生きて」に傍点]戻られたと聞き、急ぎ駆けつけたしだいでございます」
「ああ、気にするな」
「ちょっと待ってください。……とすると、こちらは」
 警官はまだ、不審げな顔で執事に尋ねた。
「マナーン島領主のアシェンバート伯爵でございます」
「本当ですか? この島に領主が住んでいるという話は聞いたことがありませんが」
「長いこと外国にいらっしゃいましたからね」
「トムキンス、水を一杯くれないか」
 エドガーは、警官の疑問などどうでもよさそうに、さも当然の態度で執事を扱う。もっとも人を使うのは、彼にとって慣れきったことなのだろう。
「はい、お待ちください」
 執事は嬉々(きき)として台所へ向かった。
「では伯爵、ミス・カールトンとはどういういきさつで、浜辺に倒れることになったのですか? 彼女は誘拐されたという報告が入ってきているのですが」
「あの、この人はあたしを助けてくれただけです!」
 思わずそう言ったリディアは、どうして自分がこの悪党をかばうようなことになったのだろうと思わないでもなかった。
 \
 けれども結局、リディアは自分の意志でエドガーについていったのだ。彼が恐ろしい意図を隠しているとは気づかないままに。そして気づいてからも、逃げ出せなかった。
 あまつさえメロウの町まで助けに行って、今さら警察に売るつもりになるはずもない。
「あたしをさらおうとしたのは、ゴッサム家の八人兄弟で、今は城の地下室でのびてると思います。彼らをつかまえてください」
「八人も地下室でのびている? 伯爵、勇敢(ゆうかん)に戦ったのはあなたですか?」
 エドガーは首を横に振り、彼も答えを知りたそうにリディアの方を見た。
「ええと、……あたしの友人たちです」
「できればその方たちにも事情をうかがいたいのですが」
 リディアは返事に戸惑う。妖精だなんて言えば、どうせ笑われるに決まっている。
 そんなリディアの様子に、察したらしいエドガーが、代わりに言った。
「無理でしょう。妖精ですから」
 そしてリディアに微笑(ほほえ)みかける。秘密を共有する仲間に対するように。
 怪訝(けげん)な顔で、警官ふたりは顔を見合わせた。
 戸口がまた、騒がしくなった。

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