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《伯爵与妖精》卷二:小心甜蜜的陷阱第一章1.3

时间:2011-10-12 13:00:44  来源:可可日语  作者:ookami

 空は低く曇り、霧がうっすらと立ちこめはじめていたが、木々のある場所はそれだけで落ち着ける。
 こんな天気だから人の姿は少なく、枝の間から顔を出すリスや小鳥に紛れて、小妖精の姿があった。
 スコットランドの森とはくらべものにならないが、ロンドンにもまだまだ妖精はいるようだ。リディアに見られているのがわかると、妖精の見える人間がめずらしいらしく、わらわらと集まってきた。
 ベンチに腰かけ、リディアは妖精たちのおしゃべりに耳を傾ける。それは意味を追うよりも、小鳥のさえずりを聞くように音を楽しむのが心地いいと、知っている人は少ないだろう。おだやかな時間を過ごしているうち、急に視界が悪くなってきた。たまたま霧の濃い部分に入り込んでしまったようだと思いながら、リディアはくぐもった犬の吠え声を耳にしていた。
 妖精たちがさっと散っていく。犬の声はさらに近づいてきているようだ。
「やだわ、ニコ。野良犬でもいるのかしら」
「冗談じゃないぜ。おれは消えるからな」
「え、ちょっと、ニコ!」
 彼が消えると同時に、すぐそばの茂みがガサリと動いた。
 うなりながら、大きな野犬がリディアに歩み寄る。一匹、二匹と集まってきて彼女を囲む。
「やだ……、来ないでよ!」
 飛びかかってこようとした一匹に、思わず缶詰を投げつけた。命中して、犬は地面に転がったが、かえってほかの犬を刺激してしまっただけだ。
 枝をもぎ取ろうとしたとき、木の背後から人影が現れた。
 霧の中から浮かびあがってくるかのような、黒ずくめの大きな姿。
「霧男(フォグマン)……」
 思わずつぶやいたのは、妖犬を引き連れ霧の中から現れるという不吉な妖精を、彷彿(ほうふつ)とさせる姿だったからだ。
 男はリディアに手をのばす。
 きつい薬品の匂いが漂い、クラリとする。
 何?人さらい?

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