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《伯爵与妖精》卷二:小心甜蜜的陷阱第一章1.4

时间:2011-10-12 13:06:03  来源:可可日语  作者:ookami

 都会は物騒(ぶっそう)なところだ。
 昼間でもひと気のないところは危険だなんて思わなかった。
 人込みではスリやひったくりに気をつけなければならないし、かといって人の目がなければ、強盗や変質者が隙(すき)をねらっている。
 ロンドンの地理に慣れないリディアなど、ひとりでふらふら歩いていれば、目をつけられても不思議ではない。
 だからといって、レイヴンが自分のあとをつけていたというのは、リディアにとって気持ちのいい話ではなかった。
 エドガーの忠実な召使いは、猛獣(もうじゅう)みたいな殺人鬼でもある。リディアにとっては、得体の知れない部分が多い。
 しかし得体が知れないのは、彼を従えているエドガーにしても同様だった。
「リディア! よかった、無事だったんだね」
 花だらけの仕事部屋へ駆け込んできたエドガーは、大げさにそう言って、さっとリディアの両手を取った。
 眉(まゆ)をひそめるしかないリディアに、無邪気(むじゃき)なほどにっこり微笑(ほほえ)みかけるが、彼の内面に無邪気などという部分はあり得ない。
 リディアは急いで手を振り払った。
「ええ、助かったわ。あなたがレイヴンにあたしのあとをつけさせたおかげでね」
 せいぜい嫌味っぽく言ってやるが、エドガーにはまるきり通じなかった。
「役に立ててよかったよ」
「じゃなくて、どういうつもりなのよ! 変質者が現れなかったら、あたしが何も知らないうちに、どこで何をしてたかレイヴンが逐一(ちくいち)あなたに報告してたってことでしょ?」
「そんなつもりはないよ。純粋に、きみの護衛をさせただけだ」
 本当かしら。
 いかにも心配そうにこちらを見おろしている彼を、リディアは観察しつつにらみつけてみたが、端整(たんせい)な顔立ちとあまい色をした灰紫(アッシュモーヴ)の瞳はいつも、彼のたくらみを隠してしまう。
 エドガーはリディアにとって、「よくわからない人」のままだ。

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