《伯爵与妖精》卷二第五章隔着玻璃的爱恋5.3
リディアは空腹を感じ、ますます気分が滅入(めい)っていた。
眠り続けている彼女の身体は、夕食抜きなのだから当然だろう。
「寒い?」
気づけばリディアは、身体をかかえ込むようにして肩をさすっていた。
「たぶん……。せめてショールを羽織(はお)っていくんだったわ」
「暖炉(だんろ)のそばへ行くかい?」
「無駄(むだ)だと思う」
「そう、だね」
少し考え、エドガーは、リディアの瓶(びん)を両手でそっと持ちあげた。
「人の魂って、みんな自分を小さくしたみたいなのかな」
「さあ。でもこれは、あたしが自分をこんなふうにしかイメージできないからだと思うわ。どうせなら、もっと美人になっちゃえばよかった」
「じゅうぶんきれいだよ、リディアは」
「おだてたって、あたしは怒ってるんだから。……ちょっと、何するのよ」
そのまま彼は、リディアを瓶ごと腕に抱きかかえた。
「こうした方が暖かいかなと思って」
「無意味だって言ったでしょ。あたしの身体は、きっと冷たくて暗いところに転がされてるんだから」
そう言いながらリディアは、エドガーにはそんな恐ろしい記憶があるのだと気がついた。
少なくとも彼女は、孤独や不安や絶望を、今は感じなくてすんでいるけれど、たったひとり動けないまま、まっ暗な倉庫やどこか知らない場所に閉じこめられていたらと、思い浮かべるだけでも恐ろしい。
ロザリーに閉じ込められていた、わずかな間だけでも、どうにか落ち着こうと必死だったけれど、今にも叫び出したいくらい不安でたまらなかったのだ。
「少しの辛抱だよ。きっとすぐに助け出すから」
彼の表情を見ることはできなかったが、声は真剣に聞こえた。感情を抑え込んで、強く誓うように発せられた言葉は、復讐の決意に似ていたかもしれない。
- 相关热词搜索: 伯爵 妖精
- 上一篇:双语阅读:【青春小说连载】春の夢(6)
- 下一篇:日语能力考试四级词汇练习精选(2)
相关阅读
- 《伯爵与妖精》片尾曲~My Fairy~08-26
- 魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第三章3.409-09
- 魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第三章3.611-16
- 魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第四章4.209-10
- 魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第四章4.309-19
- 魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第五章5.809-26