您现在的位置:首页 > 双语阅读 > 小说与诗集 > 伯爵与妖精 > 正文

《伯爵与妖精》卷二第五章隔着玻璃的爱恋5.3

时间:2011-11-02 13:37:43  来源:可可日语  作者:ookami

 伯爵(はくしゃく)家の応接間の、ランプがともるテーブルの上で、リディアはむっつりと黙っていた。
「怒ってるかい?」
 美しい黒檀(こくたん)の椅子(いす)に座ったエドガーが、困惑気味にこちらを見ていたが、リディアはひざをかかえて座り込み、そっぽを向いていた。
 本当のことを聞かされれば、これが怒らずにいられるだろうか。
 最初から、自分をプリンスに引き渡した男への復讐(ふくしゅう)のために、エドガーはリディアを利用していたのだ。
 ドーリス嬢(じょう)が消えた原因がグレアムだということも、リディアがねらわれている可能性もわかっていて、あえてリディアをグレアムの目につくように仕向けた。
 グレアムが盗品や人身(じんしん)の売買に手を出していることはわかっていたというが、プリンスと取り引きをしている人物なら、フェアリードクターという特殊な才能が、高値で売れると考えるはずだからだそうだ。
 クリモーン庭園(ガーデンズ)でグレアムに会ったのも計算のうちだ。
 そしてロザリーの好意も、復讐のために役に立つから利用した。
 エドガーがあの倉庫へやって来たのは、ロザリーからリディアの居場所を聞き出したからだという。しかしロザリーは、素直に話したわけではなさそうだし、そのへんをエドガーははぐらかしている。
\
 あくまで言葉の断片から、彼は、グレアムがロザリーも売りとばしてしまうだろうと知っていて、彼女を危険な場所に放り出してきたと想像できただけだが、それだってあんまりではないか。
 あんなに親しく接しておいて、利用していただけだなんて。人を何だと思っているのだろう。本当に最低。
 うそじゃないとか、何も隠していないとか言いながら、人をだます。あまい言葉でいい気分にさせるのも、そうやってだますためだ。
 だまされたのはこれがはじめてではないというのに、だからこそ余計にリディアは、少しでも信じようとしてしまうお人好しの自分が情けなかった。
「危険な目にあわせるつもりはなかった。連中には、きみに指一本触れさせないつもりで」
「言いわけは聞きたくないわ」
 強く言うと、彼は黙る。

上一页 [1] [2] [3] [4] [5] [6] 下一页

相关阅读

无觅相关文章插件,快速提升流量