双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(3)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅰ(3)
それは、たぶん、ボクは人よりも思えるべきことが少ないからだと思う。
三歳までの記憶。ボクとオカンとオトン。その三人の家族が、ひとつの家で一緒に暮らしていたの記憶。
家族で暮らした三年間が、それ以上、上書きされることがなかったから、ボクはその少ないエピソードを記憶し続けることができているのだと思う。
ガチャーン!!と凄い音がした。オカンと一緒の蒲団で寝ていたボクは驚いて目を醒ました。もちろん、オカンも目を醒まし、蒲団の上で中腰になっていた。夜中だったと思う。子供だけではなく、大人も街も眠るような時間だったはずである。
玄関から、ばあちゃんの悲鳴が聞こえた。オカンの名前をばあちゃんが連呼している。廊下に飛び出して行ったオカンは、玄関手前まで行って、またすぐ部屋に戻って来た。
すると、ボクを抱きかかえて、ラグビー選手のように、座敷の方へ走り出した。
オトンが帰って来たのである。
そりゃ、自分の家なんだから帰って来るのは当たり前なんだが、なにを思ったか、この日のオトンは、いつも手で開けていたはずの玄関戸を足で蹴破って帰って来たのである。
ガラスのはめ込まれた木桟の格子戸を完全に破壊し、わめき散らしながら土足で廊下を進むと、絶叫するばあちゃんをなぎ倒して逃げるオカンを追い回した。滝城事件に突入する警察の特殊部隊でも、もうちょっと上品に入って来るだろう。こんな「おかえりなさいの風景」が、この癒えにはたびたびあった。
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