双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(14)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅰ(14)
オカンは人に接することが好きで、よく笑い、楽しいことの好きな人だった。周囲の人のことをいつも気に掛け、家事が好きで几帳面な人だった。
オトンは逆に、無口で短気な性格だった。ふざけることもなければ、慌てることもない。とにかく、徹底してマイピースな人で洋服と友達付き合いには几帳面だが、それ以外の部分は極めて大雑把な人である。
そんなふたりが出会ったのは、なにかのパーティーだったらしい。オカンから聞いた話だが、その時は医者のボーイフレンドにエスコートされて来ていたらしい。オカンの方はひとりで来ていた。タダ飯でも食うつもりで潜り込んでいたのだろう。
その時にどういう始まりで最初の言葉を交わしたのか、互いの第一印象はどうだったのかは聞いていない。
しかし、その出会いの日から何日も経ってないうち結婚は決まった。なぜなら、オトンがなんの予告も相談もなく、だしぬけにオカンの実家に結納を持って現れたからである。
オカンは虚を突かれて思わずうなずいたのだろうか。オトンはなにを思った奇襲だったのか。
オカンが両手に結納品を担いで自分の家に乗り込んで来た時のことを、オカンは「ビックリした」と至極あたり前の言葉で話してくれたが、それ以外の表現も見当たらないだろう。
とにかく、ビックリしているうちにこの二人は夫婦になったのである。
十代の頃に、この結婚に関する経緯を初めて聞いたボクはオカンに言った。
「オレ、医者の家の子供が良かったのに」するとオカンは例によって、
「そやったら、あんたは生まれて来とらんやろうも」
とボクの生まれて来た因果(いんが)を言い含めるのであった。
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