双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(29)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅱ(4)
小学校で一枚のプリントを渡されたことがある。そのプリントは全員に渡されたのではなく、クラスの数人が放課後に呼び出されてひとりずつ、先生から手渡しでもらった。
それは、父親の居ない児童を潮干守りに連れて行くという催しの通知だった。それに参加する場合は、学校を休んでも公休になるらしい。
誰が考えたのか知らないが、本当に余計なお世話である。帰り道、同じプリントをもらった同級生から「行くと?行くと?」と何回も聞かれた。その友達は行く気満々だったようだ。
家に帰って、オカンにプリントを見せるとオカンは静かにボクに聞いた。
「どうするね?」
「行かん。行きとうない」
機嫌悪くボクが答えると、オカンは「不参加」の欄に丸を囲んでハンコを押していた。
いくら保護者がオカンの名前で登録されていても、自分にはオトンが居るのだという気持ちが、子供ながらに強くあった。
一緒に住んではいないけれども、離婚したわけでも、死別したわけでもない。なんで、その潮干守りに自分を誘うのだという憤りがあった。
潮干守りの当日。クラスには父親の居ない児童の空席がいくつかあった。なぜ、今日、彼らが学校に来ていないのか、クラスの全員はどういうわけか知っている様子で、学校にやって来たボクに「オマエ、貝掘り行かんやったとか?」と何度も聞かれて、うっとうしかった。
筑豊のばあちゃんの家に暮らし始めて数年が経っても、その家が自分の家だと思ったことはない。小学生になって学習机を置く部屋も出来だけど、そこが自分の部屋だと思ったこともなかった。
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