双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(42)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅱ(17)
近所の人や親戚は、いつも新しい服を着ているボクを見て、「マーくんは衣装持ちやねぇ」と言った。
ボクのものばかり買って、自分のものを買っている様子がないので、一緒にGパンセンターにGパンを買いに行った時、オカンにも無理矢理、なにか買うように勤めて、スエードのペッチワークの付いたベストを買わせたことがある。そして、そのベストをずっと何年も着ていた。
オカンは時々、亡くなったおじいちゃんのことを仏様のような人だったと、一度も会うことのなかったボクに話して聞かせた。
おじいちゃんが生きていた頃は呉服屋を営んでいて、オカンも多分、きるものは不自由しなかったのかもしれない。しかし、オカンは昭和六年生まれ、思春期(ししゅんき)の頃はもののない時代。モンペを穿いて学校へ女子が通っていた時代だ。
そんな時だったが、オカンが女学校へ入学した時、おじいちゃんは色んな所を探し回って、その当時、周りでは誰も持っていなかった新品のローファーを買って来て、「明日から、これ履いて学校に行きなさい」と渡してくれたのだそうだ。
オカンはその新品のローファーが本当にうれしくて、友達に自慢で、学校に行くのが楽しみで仕方なかったと、ことあるごとにボクにその話を聞かせた。
そんな思いがあってのことかもしれない。おじいちゃんがしてくれたように自分の子供にもそうしてあげようと思っていたかもしれない。
ボクが大人になってからも、オカンはボクがファッションとしてのボロな格好をしていても、それを嫌った。
「仕事場にそんなボロの服を着て行ったらつまらんよ。着とるもので、人になめられたらいけん」。そんなことを言っていた。
イタリア系のマフィアがシルクのスーツを好んで着たようなものなのか、ダウンタウンの黒人がゴールドを身に付けスリー・ピースを着たがるようなものなのか、とにかく服装にはうるさかった。
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