双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(50)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅱ(25)
それまでは、その辺りに咲いている花をむしってあげたり、肩をたたいたり、粘土(ねんど)で作った気持ちの悪い動物をプレゼントしていたのだが、今回のプランには金がいる。だけど、どう考えてみたところでどうすることもできず、結局、その料金もオカンから貰うしかなかった。
"なんにも言わずに二千円ばかり都合してくれないかね"と言う相談である。
やはり話し合いは難航した。当然、オカンはなにに使うんだと言い、こちらはそれに答えず、険悪な雰囲気になった。一年生の時に上級生にカツアゲされたことを知っているオカンは、そういうことを心配しているようだった。最終的には買ったものを見せるという約束で二千円を貰い、煙草屋に直行。誕生日まで寝かせてから渡すつもりだったが、その日のうちにオカンにあげざるを得なかった。
「あう、ありがとうねぇ。そうね。そりゃ、行かんといけんねぇ」
何度もそう言うと、ポータブル・プレーヤーを食卓の上に運んできて、「うそ」を聴きながら"うれしいよ"というアピールをして見せた。
しかし、コンサートを観た日の夜は、もう完全にメロメロになって帰って来て、あの時のような「母」の眼ではなく、完全に「エロいおばさん」の眼をしながら「いゃー。本当に良かったばい。歌が上手かけんねー。良かったぁー。いい男やったぁ」と酔いしれていた。
ボクは少しやきもちを焼いたけど、この中条きよしという新人は、伸びるだろうなぁと思ったのである。
その頃、オカンは四十前後だったと思うが、近所のおじさんたちに、そこそこもてているようだった。女友達もしょっちょう遊びに来ていたが、時々、おじさんの友達も来る。
おじさんたちは抜きたての蓮根を新聞紙に包んで、お土産だと言いながら家に上がって来てはビールを飲み始める。三十分ほどビールを飲むと「じゃ、そろそろ始めますか」という合図(あいず)のもと、座敷へ移動して花札を始めるのだ。
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