双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(55)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅱ(30)
小学校の高学年になっても、夏休みに小倉のばあちゃんの家にひとりで行くことは続いていた。
もう、下宿人の姿もなく、敦子姉ちゃんは結婚して家を出ている。オトンの部屋は、そこにオトンが寝起きしている気配はなく、筑豊のばあちゃんと同じように、小倉のばあちゃんも広い家の中でひとり、たくさんの子供を産んで、育ってて、年老いてひとり、暮らしている。
ボクは小倉のばあちゃんに懐き、ばあちゃんもその孫をかわいがった。
でも、この街には、友達がいるでもなく、ただ、毎日、本を読んだりテレビを観たりしているだけで、少し退屈を感じることもあった。
空に突き刺さる長い煙突。新幹線の停まる大きな駅。ジェットコースターのある遊園地。立ち並ぶデパート。ネオンの眩しい歓楽街。すし詰めの路面電車。
ボクはもう、自分の生まれた街に戻って来ても、「うわー。都会だなぁ、ここは」と観客的に思うだけで、自分の生まれた家にいても、時間を退屈に感じるだけだった。
一日の楽しみは、昼過ぎにばあちゃんが市場に買い物に行くのについて行くこと。
揚げ物屋で、鶉の玉子の串揚げや、肉屋の昆ちゃんソーセージを買ってもらって食べるのが楽しみだった。
ばあちゃんの買い物かごを持って買い物を手伝うと、少し小遣いをくれるので、それを手にするとすぐ市場の中にある駄菓子屋へ直行する。
ばあちゃんは五十円くれることが多かったので、小倉の駄菓子屋ではかなりお坊ちゃまな買い物ができる。
ベビーコーラーに串刺しのカステラ。クッピーラムネにチロルチョコ。ゴム人形に指でネバネバやると煙の出る魔法の薬。
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