双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(63)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅱ(38)
この人は、ボクのオトンは、いったいなにをしている人なんだろうか?
まるで見当がつかなかったし、オトンには聞こうともしなかった。
「ステーキ食うか?」
オトンはボクが小倉に来た時は、いつも同じステーキハウスに連れて行った。オカンが一緒の時も、よくこの店に来た。
カウンターに横並びで座り、コック服を着た人が、目の前のきれいな鉄板で肉を焼いていくれる。
「息子なんですよ。わたしの」
「え?そうなんですか?」
いつも、コックさんが聞きもしないのに、それを発表していた。
「給食はうまいんか?」
「まずい」
「お母さんの料理はうまかろうが」
「うん」
「まだ、動物は飼いよるんか?」
「飼いよるよ」
「お父さんは、動物は好かんのよ」
「……」
会話がまるで弾まないのである。結局、オトンはコックさんとずっと話していることになる。
繁華街に、いつも乞食の人が座っている場所があった。松葉杖を隣に置いてハーモニカを吹いたり、ずっと頭を下げたりしている。ボクはその人を見ると、なんだか胸が苦しくなって、オカンと一緒の時やおばちゃんがいる時は、「お金ちょうだい」と言って、小銭を貰い、乞食の人の前に置いてあるアルミの弁当箱のふたに、それを入れた。
オカンは「ええことしたね」と言い、そこを通っても乞食の人はいない時は「あの人、死んだんかもしれん」と心配になった。
オトンとステーキ屋に行った後も、だいたいその前を通って繁華街の奥へ進む。
乞食の人が、その日もハーモニカを吹いていた。ボクはオトンに「小銭ちょうだい」と言うと、オトンは小銭入れをポケットから出し、チャックだけ開けると「ほら」と言った。
その中から銀色の玉を何枚か取り出し、走ってアルミ箱の中に入れに行った。
「おありがとうございます」
乞食の人のお礼も最後まで聞かず、また、オトンの方へ走って戻った。オトンは商店街の真ん中で煙草を喫いながら、その様子をじっと見ていた。
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