双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(75)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅲ(3)
野球をやっても四番バッターになれるわけもなく、学校の成績も特別いいでもない。漫画の登場人物のようなスーパースターになれる気もしていない。
自分自身のこと、環境の中で自分のこと。一般的である部分と、そうでない部分。
子供は物事がわかればわかるほど、考えが平板になってゆく。みんなの持ってるものを欲しがるようになり、みんなと違った部分を嫌うようになる。今までなんとも思ってなかったことをコンプレックスに感じるようになる。
そんな時に"中学生になったら、小倉で親子三人で住むのだ"と聞いて、ボクは単純にうれしかった。一般的らしき者になれそうで、それがうれしかった。
筑豊の町はボクにたいそう優しくしてくれた土地だったが、この町を自分の町だと感じることはなかった。かといって、小倉の街に対してもその思いはない。だけど、オカンとオトンとボクと、三人で暮らすその家が出きれば、そこがボクの町になるのだと思っていた。そして、その家がどんな所であれ、それがボクの家になるのだ、と。
そのことがうれしくて、卒業の季節を待ちきれず、前野君や他の友達、床屋のおばさん、八百屋のおじさん、色んな人たちに、ボクは中学生になったら小倉に引っ越すんよと言って回った。
友達に会えなくなることは悲しかったけど、自分が一般的な家庭らしきものに属するのだという喜びの方が勝っていた。
「あんまり会えんごとなるね……」
「うんにゃ。汽車で一時間やけん。ばあちゃんもおるし、しょっちゅう来るたい。小倉の家に泊まり来ればよかろも」
前野君と小倉のゲームセンターに行った時、あまりのゲーム機の多くさにふたりとも気が狂わんばかりに遊び回ったことがある。筑豊の町のコンピューターゲームは、文房具屋の隅に一台だけ置かれたスタンド型のホッケーゲームだけだった。
ばあちゃんは、その頃から心臓を患っていて、雨の日も雪の日も身体中をサロンパスだらけにしてひとりで続けてた魚屋をやめることになった。
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