双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(81)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅲ(9)
そして、ややこしく考えるから、ひとり暮らしの老人は量産される。
結局、オカンとボクは、ばあちゃんの家から、更に一駅行った場所に引っ越した。
オカンの知人の紹介で引っ越したその先はとても不思議な物件だった。いや、不思議というより、ホラー映画のように恐ろしい不動産だった。
古びた病院だ。昭和の始めあたりに建てられたであろう、その雰囲気。最初に連れて行かれた時は冗談かと思った。
数年前に院長は他界して、残された老夫人が病院に隣接した母屋で生活している。その後も病院は取り壊されることなく、病棟だった部分を改装して、貸し家にしているのだ。
L字型に建てられた建物はその一辺が病棟で、もう一辺は診察室、手術室、玄関、待合室となっている。老夫人の想いから、手術室など、かつて病院だった面影はほぼ昔のまま残されてあり、その想いが、こちらからすればたまらなく恐怖を演出した。
全く同じ間取りの六畳が四室、廊下を中心に二室ずつ並ぶ、かつての病室を余す所なく連想させる配置。
ボクたちはその部分を借りているわけだが、更に恐ろしいのは、その家のトイレだった。
トイレの場所は廊下を奥に進み、L字型の辺が交わった地点にある。
重い引き戸を開けると、誰もいない手術室や診察室の冷気が肌をかすねる。
冷気漂う部分は借りているわけではないので立ち寄ってはいけないとオカンに言われていたのだが、そんな所、行けと言われても行くたくない。
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