双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(84)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅲ(12)
この伝統と呼ばれている説教も、長年受け継がれているだけあって、肉体的にも精神的にも厳しさは完成されていた。その足の痛みに耐えながらも、次は精神的に責めてくるからたまらない。
全員、眼をつむらされ、電気も暗くしてどの先輩が殴ったかはわからなくしてある。
殴りながら、バットの挟まった膝の上に座らせて、好きな子の名前を大声で叫んでみろと言う。
「まだ、いません!!」。そう言った同級生にエロいことで有名な先輩が怒鳴った。
「処女がいいとか、膜の破れとるとがいいとか言うてみい!!」
「わかりません!!」
数ヶ月前までザリガニやカブト虫と遊んでいた小学生なのである。そういうアダルトなことを言われると、更に恐ろしい気がした。
部室の外から聞こえる雨音。下級生は全員顔が腫れるまでビンタされ、みんな最後は泣いた。いや、全員泣くまで帰してもらえなかった。
顧問の先生も当然この伝統行事は承知の上で、ボクらが鼻血を出しながら下校していると「おう、今日は説教されよったんかぁ」と半笑いで言う。
"オマエの息子に殴られよったんや!!"。ボクらは心の中で訴えた。この顧問の先生の息子が、三年生にいたからである。補欠のくせに説教だけは四番バッターの嫌な息子だった。
家に帰るとオカンはボクの腫れあがった顔を覗き込み言った。
「あんた、顔が腫れとるばい」
「……」
「先輩にシメられたんやろ?」
「……」
「よかよか。男は少々(しょうしょう)鍛えられた方がよかたい」
オカンにどうしてほしいとも思っていなかったが、納得はしなかった。
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