双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(94)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅲ(22)
そのあたりの事業は色々とややこしい裏会社に通じていなければ入札することができないので、そのへんのややこしさが"一級"だったのかもしれない。建物を建てることよりそれ以前の根回しが肝心な業務のようだ。
「まぁ、越境入学するにしてもやね、その学校がどれぐらいのもんで、なにをせんと受からんのかくらいは調べとった方がええのお」
「受けて受からんほど難しい偏差値やないと思うんやけど、絵の実技試験もあるんよ」
するとオトンはしばらく煙草を喫い続けた後、なにか、いつものようによからぬ根回しを思いついたようで、ボクとオカンに言った。
「ちょっと、温泉に入りがてら、一回、多分に行くか?」
「なにしに行くん!?」
「学科の方がいい点取るしかないけど。絵の方ばっかりはオマエがどの程度のもんか、どれくらいのレベルやったら受かるんかがわからんやろが。それを一回、わかる人に見てもらった方がいいやろ。それがええ。」
「誰に見てもらうん!?」
「だまっとけ」
オトンはセカンドバッグから黒い電話帳を取り出し、家の黒電話から、なにやら黒い声色の電話をし始めた。
「オカン……」
不安になってオカンの方を見ると、オカンはやけにそわそわしながら、
「いやー、温泉は久しぶりやねぇ」と完全にレジャー感覚に汚染されていた。
「よし、来週、別府に行くぞ」
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