双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(103)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅳ(2)
求めているうちは、それがわからない。ただひたすら、与える立場になってみて、やっとわかってくる。かつて、親が自分になにを想っていたのか。その日のことを知り、今の日に、自分がそのようになろうと思う。
その時、人は確かなるなにかを手に入れるのかもしれない。
おのれ生ある間は子の身に代わらんことをねがい、おのれ死に去りてのちには、子の身を護らんことを願う。
五月にある人は言った。
たとえ、姿かたちはなくなっても、その人の想いや魂(たましい)は消えることはないのです。あなたが、手を合わせて、その声を聞きたいと願えば、すぐに聞こえるはすです、と言った。
「やっぱり、江川は福岡に来んやったね」
「もう、クラウンも駄目やろう」
「だいたいがよ。百円ライターの会社が球団持つこと自体に無理があるんよ。そら、江川も巨人の方がよかろうたい」
「そやけど、ヤクルトは百円もせんやろ?」
「ヤクルトは毎日飲むやろが。ライターは一回買うたらしばらく買わんでよかやもん。もうかりゃせんばい」
この町にはその昔、西鉄ライオンズというそれは強いチームがあったのだと、炭坑の人たちは話を聞かせてくれたものだが、ボクたちが子供の頃には、もう、太平洋クラブライオンズ、クラウンライターオンズと身売りを重ねる万年最下位の弱小地元球団しか知らない。
法政の怪物?江川卓をドラフトで強行指名するも、入団を拒否され、もう平和台球場からプロ野球チームが消えてしまうのではないかと噂され始めた春にボクたちは卒業式を迎えた。
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