双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(109)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅳ(8)
学校に毎日通うようになると好きな女子ができたりするから青春はわかりやすい。一年の時からクラス替えはなかったのだが、興がのった時だけしか登校していなかったので、ずっと同じクラスだったはずのTさんの存在に今まで気付いていなかったのだ。
ボクの席は廊下側の一番後ろで、Tさんの席は窓側の一番後ろだった。窓に降り注ぐ太陽の光がTさんの細くてまっすぐな髪を揺らして輝かせた。薄暗く湿った廊下側の席から見るTさんの横顔は馨しく、眩しかった。
Tさんを眺めるために学校へ通うようになり、色々と友達から話を聞いていみると、どうやらクラスの野郎どもの中でもTさんは人気があるらしく、成績も優秀で街の宝石店のお嬢さんだということがわかった。
「お嬢様か……。初めて見たなあ」。炭坑町にお嬢様はいない。宝石店すらない。あって時計屋である。そんなものがあったら、三日に一度は泥棒に入られるだろう。
夏休みが近づき、期末テストの時期になった。うちの学校は試験の成績を一番からビリまで廊下に貼り出していて、それまでは自分が何番だろうとなんの興味もなかったのだが、Tさんは毎回五番以内に入っているという情報をキャッチ。とりあえず、バカだと思われてはマズいと思い、ボクは試験勉強を始めたのである。成績優秀なお嬢様と自分とでは釣り合いが取れないと漫画的に思ったわけではないのだけど、まぁそれに近い感覚だったのだと思う。
「あんた、どうしたんかい?」と村上先生が心配そうに言うので「Tさんが好きになりました」と発表すると、失笑(しっしょう)されてしまった。
野郎どもが告白しろと煽るのだが、どう考えても恥ずかしい。そういうのはダメだ。他のよろしくないことは平気だが、甘酸っぱいことは苦手なのだ。
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