双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(133)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅴ(3)
毎日、どこか緊張して、手当たり次第、夢中になって、ドロドロ、一日が過ぎてゆく。
オカンから毎月末には仕送りが振り込まれ、そのたび「頑張りなさい」と言われるのだけど、なにを頑張ればいいのかもわからずの日々は、オカンの思いやりを息苦しく感じされた。
授業に出てどうなる?絵を描いてどうする?不真面目な学生のボクが言うことじゃないが、それを真面目にやっている学生の未来になにがあるとも思えなかった。
そして、美術大学というところは特殊な価値観の中、学生が温度の低い優越(ゆうえつ)感を抱いている。もう、そこに入学しただけで自分が芸術家にでもなったような気分でいる。
ボクはそんな環境をくだらないと思い、個性という言葉の大好きな没個性の集団に最大級の軽蔑を抱いていたが、その連中と自分の違いはどこにも見つかることがなく、自己嫌悪と劣等感は消えることがない。
大学一年の秋。オトンが仕事で東京に来るという電話があった。
「オマエは、だいたい学校でなにを専攻しとるんか?」
「あぁ、舞台美術……」
「そうやの、そう言よったのぉ。それは、アレか、どんなところに就職決まるんがいいとか?」
「就職ならテレビ局の美術とかが、いいらしいけど、舞台美術自体、あんまり仕事は……」
舞台美術の世界は四十まではパンをかじれというくらい「食えない」業種らしい。教授にその話を聞いた時も、就職をリアルに考えていなかったボクは、それでいいと思った。逆にディスプレイデザインのような、就職に直結するような選択をする方が嫌だった。それをしてしまうのが、なにかが始まるようで怖れかったのかもしれない。
「おお。そうやろ。テレビ局やったらいいわいのぉ。そりゃ、ちょうどいい。来週、人に会いに東京に行くけんのぉ。オマエにも紹介してやるけん、新宿まで出て来いよ」
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