双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(135)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅴ(5)
そこはやっぱり、名士もタヌキ。うんともいやとも言わぬまま、なにかしらの見返りを吊り上げている様子だた。
久しぶりに旨い刺身が食えたものの、そんな会話の中で味もしない。なんでオトンはこんな殺伐とした席にボクを連れて来たのだろうか。
「先生、うちの息子が今年からこっちの美術大学に入学しまして、舞台美術を専攻しとるんですよ」
商談の煮詰まったオトンが話題の方向をボクに向ける。
「あ、そう。もう、希望の就職先はあるの?」
「いえ、まだなんにも考えてないです」
「そうね、まだ一年生だからねぇ。でも、進路は早めに決めた方がいいねぇ」
「そうですね……」
オトンが老紳士に酌をしながら、言った。
「この子はテレビ局に入れたらええんやないかと思うとるんですよ」
そんな話をしたこともないのに、勝手にオトンはそう言った。
「あ、そう。テレビ局ねぇ……」
場の雰囲気は落ち込みそうな気配(けはい)を察して、Aさんが、先生、先生と言いながら、老紳士のくわえた煙草に火を付けに走った。
カキーンというデュポン独特の音がする。オトンも、オトンの周りの男たちもみんなライターはデュポンを使っていた。子供の頃から、あのデュポンの音を聞くたびにその方向に目をやり、オトンの煙草を喫う姿を見ていた。
いいライターだね、と老紳士が言った。するとAさんは、そのデュポンを差し出し、どうぞ貰ってやってくださいと言い出した。
「いや、そういうつもりで言ったんじゃないんだけどなぁ」と老紳士は困った顔を見せたが、Aさんは頑として、貰ってくれと言う。もう、受け取ってもらわなきゃ私が困りますという勢いである。結局、Aさんの金のデュポンは老紳士が受け取ることになった。
「いやぁ、いい音だねぇ」
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