双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(137)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅴ(7)
子供の頃から、自分のオトンが何の仕事をしているのか、オカンも言わなかったし、ボクも聞かなかった。小学校低学年の頃は、いつも絵を描いている記憶があって、オトンのことを絵描い知ってはいたけど、徐徐にそうではないこともわかっていたし、まぁ、堅気でないことくらい知ってはいたけど、その時、思ったのである。
"あぁ、この人、ヤクザなのか……"
仕事の内容が合法か非合法か、どんなものなのかはわからないけど、そこにあるセンスはヤクザなんだなぁと、その時わかった。
アパートの隣の部屋には一橋大学の学生が住んでいて、彼は大学内の文芸サークルに所属していた。サークルで発行するミニコミに小説や評論を発表していて、同じサークルの友人が集まると美大生と違って文学の話で下りあがったりするものだから、ボクにとってはめずらしかった。
そのうち、ボクはそのミニコミの中で挿絵を頼まれるようになり、発注されるイラストというものを初めて描くようになる。そして、そのサークルが当時の作家・文化人についてあれこれと批判をするという、今考えれば甚だ生意気な単行本を出版することになり、ボクはそこにあげられる人物の似顔絵を三十カット、一点三千円で描いたのが初めてのギャラだった。
「オカン、すごいばい。似顔絵一枚描いたら三千円もくれるんよ。八枚描いたら家賃が払えるんやけんねぇ、ぼろいばい」
「すごいやないね。そんな仕事が毎日あったら、食べていけるやないね。本ができたら送りなさいよ、おばあちゃんたちに見せんといけん」
オカンはとても筆まめな人で月に何通かは手紙が来る。いつも内容はボクの身体のことや、学校のことを気遣ったものばかりなのだが、筆不精なボクはオカンに返事を書くことがほとんどなく、なにか喜ぶようなことがあった時だけ、電話をかけて報告していた。
その頃、オカンは小倉にあるオカンの妹、ブーブおばちゃんの店で手伝いをしていた。病院の家はそのまま借りていて、週のほとんどはブーブおばちゃんのマンションで姉妹(しまい)二人の生活をしながら店の手伝いをする。
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