双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(138)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅴ(8)
五十代になったオカンは、会うたびに年老いてゆく気がした。半年に一度顔を見るたびに身体がどんどん小さくなってゆく。その姿を見るたびに切なくなった。
すっと働き続けて小さくなった消しゴムのようなオカンと、東京で阿呆のように遊びぼけているボク。バイトをしても、どれとして長く続かない。ギターや洋服を月賦で買っても支払いに滞り、結局オカンに連絡が回ってしまい振り込んでもらうことも少なくなかった。
でも、そんな申し訳なさや息苦しさを音楽や遊びで押し流して、あまり感じなくさせる姑息な技術もいつの間にか身につけ、東京にいる時間は、今まで自分ひとりでなんとかやってきたような顔でのうのうと生きる厚かましさも持てるようになる。
電話をする回数も減り、長期の休みになっても帰らなくなった。友達も増えて、彼女もできた。東京にいることが、どんどん当たり前になって、方言も出なくなった。
そして、その頃、東京ディズニーランドがオープンして、ボクが帰らなくても、前野君や九州の友達、従姉妹が休みを利用してボクのアパートへ泊りがけで出て来るようになった。高校の後輩のバカボンは卒業後、バイクの塗装工をしていたが、映画「フラッシュダンス」を観て、なにを思ったかこのお方、ダンサーを目指して上京し、ボクの部屋に居候していた。
もし、淋しいと感じることがなくなった。オカンのことを考えることが少なくなった。オカンのことを気にする時間がどんどん減っていった。
オカンは交通事故に遭った時も、ボクは帰らなかった。報せがあった時、大事には至ってないからと言われたが、事故そのものは大変なものだった。おばちゃんの店を夜中に閉めて、授業員の人たちと車で帰る途中、反対車線から居眠り運転のバンが飛び込んで来た。おばちゃんや従業員の人たちは顔や全身に大怪我をした。オカンは前歯を何本も折った。
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