双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(160)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
後の方では、とにかく帰りの荷物を減らしたい一心で、三千円、千円と投売り状態になり、結局は二十着以上売れて、七、八万の現金が手元に残った。
「オカン、結構売れていい金になったばい」
売り上げをを報告するとオカンは驚いた口調で言った。
「はーっ。七万も、八万もなったんね?やっぱり年輩の人は結婚式とかでも、そげな服は着たなかろうけん、一回着てみたかったんやろうねぇ」
オカンは兄弟にはとても心を開いていたが、親しき仲にも礼儀ありという考え方も強い人で、妹の家に居候して、毎晩花札を打てるのは楽しいけれど、いつまでも甘えるわけにはいかないと思っていたに違いない。
ブーブおばちゃんのマンションから歩いて一分ほどの場所にあるノブエおばさんの家の隣に建つ平屋の貸家を借りて住むことになった。広くはないけれど庭のある小ぢんまりとした上品な古い日本家屋だった。
そんなでもその家は、若松出身の作家火野葦平さんのご兄弟の持ちものらしく、家財道具もある程度残したまま貸し出したその部屋の棚には、古い文学全集がたくさん並んでいた。
「あんた、『花と滝』は知っとるやろ?」
「うん」
「そら偉い作家さんよ。親戚の人も本当いい人でからね、かしてもらうて良かったぁ」
火野葦平さんは生前、無類のかっぱ好きとして知られていた。「糞尿譚」で芥川賞を受賞後、「麦と兵隊」などの兵隊小説、父·玉井金五郎と母·マンの乱波の人生を書いた「花と竜」など多数の作品を残しているが、かっぱを題材にした小説、詩も数多く発表している。
若松の高塔山の山頂にあるお堂には、背中に太い釘の打ち込まれた地蔵がある。その釘は火野葦平が自らの物語になぞらえ、かっぱが悪さをしないよう、転(てん)じて厄(やく)を除けるよう本人が地蔵の背中に釘を打ち込んだものだ。
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