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魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第四章4.5

时间:2011-09-19 14:18:13  来源:可可日语  作者:ookami

 かわいそうな娘。プリンスが所有していた若く美しい女奴隷たち、その中のひとりだった。彼女とその弟が大切な友となり、守りたいと思えたときから、エドガーは生まれ変わろうと心に決めた。非力な自分にできることがあるなら、救いたいと思う。
 彼女の望みをかなえるのが、そんなに難しいことだろうか。
 白い首筋に唇を寄せる。やわらかく、彼女の腕がエドガーを抱く。
 けれど、そうやって愛そうとしながら、彼自身も自分の中にある呪縛(じゅばく)を意識していた。
 アーミンがいまだプリンスに縛られているように、たぶんエドガーも縛られているのだ。
 エドガーは、プリンスの所有物ではあったが、他の奴隷とは完全に立場が違っていた。
 あの、得体の知れない結社、そのリーダーである〝プリンス?の身代わりに仕立てあげられようとしていたからだ。
 あの男の嗜好(しこう)、考え方、仕草や動作のひとつひとつをたたき込まれた。あの男が学んだことは、すべて学ばなければならなかった。それは多岐(たき)に渡る学問を網羅(もうら)し、プリンスがただ者ではないことはわかったが、エドガーには彼について考える余裕は与えられなかった。
 理不尽(りふじん)な現実。精神的にも肉体的にも追いつめられ、思考を奪われ、少しずつ他人に作り変えられていく感覚。本当の自分がどんなふうだったのか、だんだんわからなくなってくる恐ろしさ。
 アーミンも、もともとプリンスのことを教えるために、エドガーの前に現れた。そんな性癖(せいへき)までたたき込もうとはあきれかえる。

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 けれどそのことで、エドガーは、自分の状況のばかばかしさに気がついた。
 連中がやろうとしていることは、あまりにも呪術(じゅじゅつ)めいている。
 そこから彼は、すべてにあきらめきっていたアーミンを説き伏せ、支配者に抵抗を試みた。命令に背(そむ)くことが最初の抵抗。だから彼女には一度も触れていない。アーミンも、エドガーの反抗心を主人に密告することはなかった。
 あのときから、彼女とは信頼し合い、ともに戦ってきた戦友だと思っている。
 プリンスの女だったからといって、穢らわしいなどと思ったことはないつもりだ。けれどあの男と同じように、アーミンを扱いたくはないのはたしかで、今は自由な男女だとしても、彼女を抱けばプリンスの呪縛がよみがえりそうな気がして怖いのだ。
「……ごめん、アーミン」
 結局エドガーは、彼女を突き放すしかないのだった。

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